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企業のSDGsの取り組みを目標別で紹介!【目標6〜11】

コラム

企業のSDGsの取り組みを目標別で紹介!【目標6〜11】

2023/03/08
2015年に国連サミットで採択された「SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)」は17の分野についての大きな目標と、それらを達成するための具体的な169のターゲットで構成されています。それぞれに達成率が評価されるようになっており、2030年の達成に向け世界各国で取り組みが進められています。各企業のSDGsへの取り組みも進み、企業の取り組みは国内外問わずますます重要視されています。

前回から、SDGsの17の目標毎に企業の取り組みを数回に分けて紹介しています。今回は、目標6から目標11までをまとめています。

前回の記事はこちらから
SDGsの目標毎の企業の取り組み

企業のSDGsの取り組みを目標ごとに紹介していきます。事例のなかには複数の目標にまたがる取り組みもありますが、代表する目標で掲載しています。

目標6【安全な水とトイレを世界中に】
目標6「安全な水とトイレを世界中に」では、すべての人が安全で安価な水と衛生施設を利用できるようにし、持続可能な水・衛生管理を確実にすることを目標としています。

排水処理等、総合的に水質を管理することや、今後深刻化するおそれのある水不足や水に関連する災害など対処、水の再利用や利用効率の改善、コミュニティ参加による水資源管理や水に関する生態系の保護も目指しています。

そのほか、屋外での排泄をなくすこと、下水や衛生設備について女性や少女、状況の変化の影響を受けやすい人々のニーズに特に注意を向けることも含まれています。



■株式会社LIXIL

株式会社LIXILは、先進的な水まわり製品と住宅建材のメーカーとして、2020年に新たな環境ビジョンを策定。2050年までに、事業活動と製品・サービスを通じてCO₂排出を実質ゼロにし、水の恩恵と限りある資源を次世代につなぐリーディングカンパニーを目指しています。

節水につながる製品・サービスを開発し、水資源の保全に貢献しています。また、事業プロセスにおける効率的な水使用を推進するため、生産拠点における水使用状況や地域特性の把握を通した水リスク調査や節水対策、水循環システムを導入しています。

そのほか、ユニセフと連携して2018年から企業のパートナー支援に関する取り組みを行っています。活動内容としては、エチオピア・タンザニア・ケニアで衛生市場を確立しつつ、安価安全なトイレを提供するための取り組みを行っています。



■サントリーホールディングス株式会社

サントリーは、自然界における水の健全な循環への貢献「水のサステナビリティ」を事業活動における最重要課題と認識しています。

飲料水の販売を行っているという企業の特徴を活かし、不純物を取り除き、衛生的な水を生成できる森の保全活動を行っています。「水のカスケード利用」を行いながら、水の3R (リユース・リデュース・リサイクル)にも取り組んでいます。

そのほか、「天然水の森」における自然環境の保全、豊かな生態系の象徴である野鳥の保護の重要性を社会と共有する「愛鳥活動」、水の大切さを子どもたちに伝える「水育(みずいく)」など、自然環境の保全・再生につながる活動に取り組んでいます。



目標7【エネルギーをみんなに。そしてクリーンに】
目標7「誰もが使えるクリーンエネルギー」は、すべての人が安価かつ安全で安心して使える、持続可能で現代的なエネルギーを普及させ、地球上のエネルギー問題解決を目指しています。

世界では電力を利用できず、薪や石炭・動物の糞などを燃やして生活している人々がいます。電気を使えないことにより学習や事業の機会の喪失のほか、地球全体の環境汚染にも繋がっています。

電気やガスなどのエネルギーを持続して供給するため、太陽の光や風、水の力など自然の力でつくる再生可能エネルギーの使用を大幅に増やすこと、さらに、より少なく無駄を省きながらエネルギーを使用できるよう、2030年までに世界全体でエネルギー効率を倍増させることが掲げられています。


■株式会社リコー

株式会社リコーは2021年3月、2030年度の再生可能エネルギー比率目標を当初の30%から50%に引き上げました。EV(電気自動車)・PHV(プラグインハイブリッド自動車)導入や大都市圏では電動機付き自転車の導入、営業車両を減らすカーシェアリング導入の推進など、CO2排出係数の高いガソリン使用量の削減活動に力を入れています。

また、事業活動におけるエネルギー使用量削減を目的として、移転・新設事業所における「ZEB」の認証取得を推進しています。ZEBとは、省エネ(50%以上)+創エネで100%以上の一次エネルギー消費量の削減を実現している建物のこと。

実例としては2020年4月の移転を機に、同社グループとして初のZEB認証を取得した和歌山支社があります。アナログ技術とデジタル技術を組み合わせ、省エネかつ快適なオフィス空間を実現し、移転前から電力消費量は年間平均で約69%の削減を実現しています。



■アスクル

アスクルは、2016年に「2030年CO2ゼロチャレンジ」を宣言し、2030年までに事業所・物流センターからのCO2排出量をゼロにすること、また物流センターからお客様にお届けする車両からのCO2排出量をゼロにすること、2030年までに配送用車輌の100%EV(電気自動車)化することを目標にしています。

本社と物流センターは2025年までに、グループ全体は2030年までに100%再エネシフトを目指しています。2020年までに6拠点に再エネプランを導入。2021年12月からは、アスクルグループ最大の物流センターであるAVC関西にも100%の再エネecoプランを導入し、グループ全体では57%の再エネ導入率となる予定です。ラストワンマイルの配送拠点である新木場センターは、2020年8月に電力を再生可能エネルギーに切り替えました。



目標8【働きがいも経済成長も】
目標8「働きがいも経済成長も」は、すべての人が持続的でだれも排除しない持続可能な経済成長、生産的な完全雇用および働きがいのある人間らしい仕事(ディーセント・ワーク)を促進すると定めています。

2030年までに、若者や障害者を含む、すべての女性と男性が、人間らしい働きがいのある仕事に就くことを目指しています。また強制労働や人身取引、子ども兵士、売春・ポルノなどの子どもの心身に害を及ぼす労働を確実になくすための施策を早急に行うことも含まれています。


■セブン&アイ・ホールディングス

セブン&アイ・ホールディングスは「グループ事業を担う人々の働きがい・働きやすさの向上」をサステナビリティにおける重点課題の1つに掲げています。

法令を遵守した採用活動を行っており、社会的身分・出身・人種・信条・宗教または性別などの非合理的な理由による差別を一切認めていません。また強制や意思に反する就労はさせず、採用時には年齢確認を行うことで、児童労働を防止しています。

処遇においても法令で定められた最低賃金を遵守し、評価にあたっては、仕事の成果や一人ひとりの貢献度を適正に評価し、それらを賞与などの報酬に反映しています。従業員が多様な働き方を選べて、やりがいを持てる制度の整備に力を入れています。



■クラウドワークス

インターネット上で仕事の受発注を行うことができるクラウドソーシングサービス「クラウドワークス」をはじめ、時間や場所、年齢に関係無く報酬を得る機会を創出しています。クラウドワーカーの創出・支援を通して、誰もが自分らしい働き方を選択できる社会の実現に貢献しています。

社内においてもフルフレックス・フルリモート制の導入や、世の中に先駆けて社員の副業の自由化を行うなど、新しい働き方を積極的に実践しています。これらにより、生産的で働きがいのある職場を実現し、個人のスキルや経験の拡大とともに、そこで得た知見とノウハウをサービスの検証・改善にも活かしています。



目標9【産業と技術革新の基盤をつくろう】
目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」では、先進的で強靱(レジリエント)な経済活動と日常生活の基盤を構築し、誰もが参画できる持続可能な産業化を促進し、イノベーションを推進するとしています。


水道や鉄道、ガス・電気、インターネットなど社会の基盤となるインフラを、すべての人が安価で平等に使用出来ることを目指しています。このインフラが持続可能で、災害に強く、環境破壊をもたらさないものにするための目標となっています。

また、経済発展を進める際、製造業に従事する人の数を増やしたり、特に途上国において小規模の製造業への金融サービスの仕組みを増やすこと、企業が環境に配慮した技術や製造の工程などを取り入れることなども目指しています。


■東日本高速道路(NEXCO東日本)

NEXCO東日本​は、長年培った高速道路事業の技術やノウハウを活用して、開発途上国を対象にODAコンサルティング業務を実施しています。また、開発途上国に技術的な専門家を派遣し、各国の道路諸問題の解決に貢献するほか、技術者の研修の受け入れも行っています。

また、高速道路事業の技術とノウハウを広く提供するため、最大規模の道路整備が見込まれるインドに子会社を設置したりと、世界の道路インフラ開発に貢献しています。



■NTTドコモ

株式会社NTTドコモは、スマートフォンや携帯電話がいつでもどんな場所でもつながるように、電波を送受信する基地局を全国に20万局以上も設置しており、常に安定した電波を供給しています。この基地局には蓄電池が設置されており、災害時に利用することもできます。

また、主に環境音の影響で電話の声が聞き取りづらいと感じる人や聴覚障害の人に向けて、電話の内容を文字として可視化するサービス「見える電話」を提供しています。

さらに、ドコモは地域経済の将来を見据えた革新を促す、産学官連携協定にも各地で携わっています。大きなテーマの一つが「5Gを活用した、地域の産業基盤のイノベーション」。その結果、各地で多くの地域企業の参加を伴った産学官DXプロジェクトの実現、および地域経済の未来を支える研究開発基盤の革新に携わっています。



目標10【人や国の不平等をなくそう】
目標10では「人や国の不平等をなくそう」は、国内および各国間の不平等を減らすことを目指した内容となっています。

各国の中で所得が水準より低い人々の収入をより早く増やすことや、年齢、性別、障害、人種などによる社会・経済・政治的な機会の不平等をなくし、特定のグループを差別するような法律や慣習をなくすことを目指しています。

また、先進国と途上国の間の不平等をなくすため、国際的な金融の取引に対する規制や制度の強化、国際金融機関の意思決定の際の途上国の参加および発言力の拡大なども、目標に含まれています。



■ソフトバンク

ソフトバンクでは性別による賃金格差(ジェンダー・ペイ・ギャップ)の解消に向けた取り組みを進めるほか、どんな性別、年齢、国籍、性的指向、ライフステージの社員も挑戦・活躍できる企業を目指し、ダイバーシティの推進に取り組んでいます。また、誰もが働きやすい環境を整え、社員がやりがいと誇りを持って活躍できる企業を目指しています。

性的少数者に関する取り組みとしては、社内規程上の配偶者の定義に同性パートナーを含め社内制度を適用、相談窓口の設置、支援者「アライ」の活動促進などが挙げられます。GBTQ+などの性的少数者に関する職場における取り組みの評価指標「PRIDE指標2022」の最高位「ゴールド」を6年連続で受賞するなど、社外からも評価されています。



■日本航空

JALグループは、ワークスタイル変革・ウエルネス推進とともに、「女性リーダーの育成と輩出」や「障がいのある社員の活躍推進」などのD&Iの取り組みを推進しています。性別、年齢、国籍、人種、民族、宗教、社会的身分、障がいの有無、性的指向・性自認などによらず、一人一人が個性を発揮し活躍できる環境づくりを進めています。

D&Iの推進にあたっては、人財本部に推進を担う組織を設置するほか、セミナーや社内イベントを開催することでD&Iへの理解促進に向けて社員の意識醸成を図っています。

また、グループ各社の職種や部門の異なるメンバーが集いD&Iについて自律的に考える取り組みとしてJAL D&Iラボを2015年より継続的に実施しています。



目標11【住み続けられるまちづくりを】
目標11「住み続けられるまちづくりを」は、都市や人間の居住地をだれも排除せず安全かつレジリエントで持続可能にすることを目指しています。

「強靱(レジリエント)」とは、壊れない強さではなく、災害等の衝撃を吸収し、いち早く元の状態に回復できる力のこと。すべての人が安全で快適に暮らし続けられるよう、気候変動や社会課題に適応した持続可能な都市を実現を目指しています。

スラムの問題への取り組みや、すべての人々へ安全で価格が安く、かつ環境に配慮した交通機関や公園など公共スペースを提供することなどが盛り込まれています。

さらに住民のまちづくりへの参加を確保すること、水関連災害などの自然災害の被害と経済損失への対策、大気汚染を防ぎ廃棄物管理によって都市の環境改善、世界文化遺産・自然遺産の保全なども含まれています。


■Zホールディングス株式会(ヤフー)

ヤフーは、災害時でも迅速かつ正確に必要とする情報を入手できる環境を提供し、インターネットを通じて安全な暮らしに貢献しています。

各自治体と連携し災害時にタイムリーな災害情報を、住民の方に伝えることを目指し、協定締結を進めています。自治体から発せられるさまざまな災害に関する情報にアクセスできるよう、ヤフーが集約・整理して提供。災害時の緊急情報や新型コロナウイルスに関する情報等を各自治体がYahoo!防災速報に発信するためのツールの提供も行っています。

今後はライフライン事業者との連携を強化し、ライフライン情報の配信を進めていく予定。



いかがでしたでしょうか?
今回は国内企業のSDGsの取り組みについて、目標1~5ごとに紹介してきました。目標6以降の事例は次の更新をお待ちください。

2015年にSDGsが国連サミットで採択され、「サスティナビリティ(=持続可能性)」が注目されれるようになり、企業は環境や社会、経済に配慮したサスティナブルな経営を求められています。サスティナブルな取り組みを行うことは、企業イメージが向上やブランディングにつながります。

企業のサステナブルな活動はSDGs、CSRやESGとともに今後さらに注目されることになります。当社エコ・ブレインでもサスティナブル経営やSDGsへの取り組み等、各社動向にアンテナ張っております。サスティナブル経営・SDGs取り組みなどについてご相談がある方は、エコ・ブレインまでご相談ください!



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