企業のSDGsの取り組みを目標別で紹介!【目標1〜5】
2023/02/27
SDGsは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称で、2015年9月に採択され、2030年までに達成すべき目標を指します。17の大きな目標と169のターゲットから構成され、目標達成に向けて国や企業でさまざまな活動が取り組まれています。企業のSDGsへの取り組みは国内外問わず、ますます重要視されています。
そこで、SDGsの17の目標毎に企業の取り組みを数回に分けて紹介していきます。今回は、目標1から目標5までをまとめています。
SDGsの目標毎の企業の取り組み
企業のSDGsの取り組みを目標ごとに紹介していきます。事例のなかには複数の目標にまたがる取り組みもありますが、代表する目標で掲載しています。
目標1【貧困をなくそう】
目標1「貧困をなくそう」は、世界中のあらゆる貧困をなくすことを目指しています。
世界で貧困に苦しんでいる人たちは7億3,600万人(2015年時点)いることがわかっており、先進国でも3000万人の子どもたちが貧困の中暮らしています。
貧困とは経済的なことだけではなく、社会保障へのアクセスに加え、教育や仕事、安全な水、住居、新技術などがない、または受けられないことも含まれます。近年では、気候変動の深刻化や新型コロナウイルスの影響により、さらに貧富の差が激しくなっています。
■三井不動産グループ
三井不動産グループはNPO法人救援医療センターを通して、世界各国の難民や被災者へ衣料品を寄贈する取り組み「&EARTH衣料支援プロジェクト~あなたの服で世界に笑顔を~」を行っています。
同プロジェクトは「新しい服は欲しいけど、着なくなった服がもったいない」というユーザーの声から始まりました。自社グループが運営する全国24の商業施設で、家庭で不要になった衣料品を回収。2008年12月より春秋の年2回、継続的に実施しています。
■株式会社ジモティー
ジモティーは「地域の今を可視化して、人と人の未来をつなぐ」という経営理念のもとサービスを運営しています。
ユーザー調査より、サイト利用者の約半分(約65万世帯)が日本のひとり親世帯であることが確認できたため、CSR活動としてひとり親支援の継続的な活動を実施。2018年には、企業から協賛を受けた支援物資をジモティー上に掲載し、ひとり親家庭に優先的に物品の受け渡し会を開催しました。また、貧困層の自立支援を行うグラミン日本のコーポレートサポーターに加盟し、説明会への送客に協力するなどSDGsに関する取り組みを行っています。
目標2【飢餓をゼロに】
目標2「飢餓をゼロに」は、飢餓で苦しむ人をなくし食料の安定的確保と栄養状態の改善を実現を実現し、持続可能な農業を促進することを目指しています。世界各地で食料供給の問題があり、慢性的な食料不足になるおそれがあります。
国際社会が連携し最新の技術を使い、種や作物、家畜の多様性や環境、資源を守る持続可能な農業を進めていくこと、安心・安全な食料の確保と十分な栄養摂取ができるようにすることが必要とされます。
■日清食品
日清食品は、災害発生時の被災地支援や貧困支援を目的としたインスタントラーメンの無償提供を行っています。
2022年3月9日、ロシアによるウクライナ侵攻を受けて近隣諸国に避難している人々に対してインスタントラーメン10万食を無償で提供。また、同年11月21日にはインドネシア・ジャワ島で発生した地震の被災者に、インスタントラーメン「激辛pas (GEKIKARA pas)」10万食を現地のボランティア団体を通じて無償提供しました。
■JAL
JALでは、ユニリーバ社と英国WWF(世界自然保護基金)が提唱する持続可能な「未来の食材50」を参考に、未来の食材をテーマとした安全で栄養価の高い機内食を提供しています。
また、JALはグループは特定非営利活動法人TABLE FOR TWO Internationalが取り組む、開発途上国の飢餓と先進国の肥満や生活習慣病の解消を目指したプログラム「TABLE FOR TWO(TFT)プログラム」にも参画しています。社員食堂で対象メニューを注文すると、1品につき20円がTFT事務局に寄付されます。寄付金は開発途上国の子供達の学校給食事業に充てられ、20円が一食分になります。
目標3【すべての人に健康と福祉を】
目標3「すべての人に健康と福祉を」は、あらゆる年齢の全ての人々の健康的な生活の確保と、福祉の促進を目的としています。基本的な医療サービスを受けられない人が、世界の人口の半分である36億5,000万人います。適切な治療や予防接種、薬、妊娠や出産の際の保健サービスなど、すべての人が適切な医療サービスを受けられ、医療格差がなくなることが目指されています。
そのほか、途上国で深刻な交通事故による死亡者・負傷者数の減少、化学物質や大気・水質・土壌の汚染を減らしていくことも目標に含まれています。
■日本電気株式会社(NEC)
NECは長崎大学とともに、途上国における母子保健活動の促進と予防接種普及といった国際的活動をしています。ケニア・クワレ郡では、NECのシステムを使って現地の保健所で母親の指紋と顔画像を取得し、母子保健情報システム(WIRE)と連携。母子手帳や身分保証書がなくても生体認証による本人確認を可能とし、出生情報や病歴、治療歴、予防接種の有無などの保健医療情報の整備を実現しました。
また、医療法人社団KNIと連携して、2017年度から国内の医療現場の問題改善に向けて積極的に活動しています。AIを活用して、業務の効率化と医療の質の向上を目指す「デジタルホスピタル構想」実現に向けさまざまな開発を進めています。
■ミズノ
ミズノは世界中の子どもたちの体力と運動能力の向上に貢献できる取り組みを行っています。運動遊びプログラム「ミズノヘキサスロン」は、楽しみながら運動発達に必要な基本動作を身につけることができるプログラムとなっており、子どもの健康増進に貢献しています。
ミズノはベトナムの小学生に「運動をすることの楽しさと体を動かすことの喜び」を広げる活動を展開しています。上記プログラムをベトナム公教育に2015年から提案を開始し、同国の学習指導要領附則ガイドラインに採用されました。
そのほか、国立乳がん撲滅基金(The National Breast Cancer Foundation/NBCF)と協力し、2030年までに乳がんによる死亡者数ゼロを目標に掲げたキャンペーン「#ProjectZero」の展開、新潟医療福祉大学の大森教授の監修のもと健康寿命延伸を目指した膝にやさしいシューズ「YOUDO(ユウドウ)」の開発などの取組を進めています。
目標4【質の高い教育をみんなに】
目標4「質の高い教育をみんなに」は、住んでいる場所や家庭の経済状況に関わらず、すべての人に公平で質の高い教育を提供し、生涯にわたりさまざまな機会に学習を受けられる機会を促進させることを目指しています。
職業訓練の機会を設けて、誰しもが平等に教育を受けられる場を提供するのも方法の一つです。ジェンダーによる差別や貧富の差などで苦しむ人々をなくしたり、安全で通いやすい学校設備を整えたり、資格のある先生の数を増やしたりなども目標に含まれます。
■公文教育研究会
公文は障害のある子どもたちや大人の方々の人材育成も行っています。公文式教室での学習だけでなく、児童発達支援、放課後等デイサービス、就労移行支援施設や就労継続支援B型などの事業所や特例子会社と協力し、療育プログラム・育成プログラムや就労訓練・就労定着の実践のひとつとして公文式学習を提供しています。
また、貧困層の子どもたちへの持続可能な教育支援を目指した取り組みを進めています。2015年から世界最大規模のNGOであるBRACと協働し、バングラディシュにおいて公文式教育を普及させるプロジェクトを開始。中高所得層向けの公文式教室での利益を、BRACスクールで学ぶ貧しい子どもたちへの公文式学習の無償提供に活用する仕組みを目指しています。
■ヤマハ
ヤマハは、総合楽器メーカーとして、楽器を実際に演奏して学ぶ「器楽教育」のメリットを世界各地の音楽教育現場に広めてきました。
世界の楽器に触れる機会に恵まれなかった子どもたちに器楽演奏の機会を提供し、音楽・楽器の楽しみ方を伝える活動を行っています。2015年から新興国を中心に「スクールプロジェクト」を実施し、日本の官公庁を始め、各国の教育省と協働して活動を推進しています。
また、2021年12月にサウジアラビア王国に初の公認音楽教育施設「ヤマハ音楽教室リヤド校」を開校。同国では過去50年間、公共の場での音楽の演奏や再生が禁止されてきた背景があり、音楽文化や教育の発展に寄与するものとして注目を集めました。
目標5【ジェンダー平等を実現しよう】
目標5「ジェンダー平等を実現しよう」は、ジェンダー平等を達成し、すべての女性・少女のエンパワーメントを図ることを目的としています。女性は世界人口の半数を占めているものの、世界のいたるところで教育や社会参加の機会が制限されるなどジェンダー不平等が見られ、社会の前進を阻んでいる現状があります。
すべての人が性を理由に差別されず、誰しもが自分の能力を十分発揮できるような環境を作り、性差別のないより良い社会を目指しています。女性や女の子に対する性的な人身取引を含むあらゆる種類の差別や暴力、搾取をなくすこと、無報酬の育児・介護や家事労働を認識し、評価することや、女性や女の子が政治や経済活動の意思決定に平等に参加できることが含まれます。
■佐川急便
佐川急便では、台車や自転車で集配を行うサービスセンターの設置やスワップボディ車の導入など次々と行い、女性が活躍できるフィールドを増やしています。スワップボディ車は荷台とシャーシの脱着可能となっており、運転業務と荷役業務を分けることができます。そのため、女性ドライバーでも安心して運転業務に専念することができています。
2022年3月時点で約15,000名、約26.8%の女性従業員が全国で活躍しています。職場環境の改善に取り組み、雇用の促進や定着率、多様性の向上に取り組んでいます。
■資生堂
資生堂は日本社会全体のジェンダーギャップ解消のリーディングカンパニーとして、女性活躍のための支援活動に注力しており、多様な美の価値観の啓発やジェンダー平等のための教育支援など積極的に取り組みを進めています。
1990年代から女性のライフイベントへの支援を実践し続け、2000年頃にはほぼ100%の女性社員が育児休業から復職するなど、先進的な取り組みを進めてきました。日本企業の役員に占める女性比率の向上を目指す「30% Club Japan」への参画や、広島県と女性活躍の推進に関する協定の締結など、国際機関、民間企業、地方自治体、関係団体などと連携し、ジェンダー平等社会の実現をめざしています。
また、トラベルリテール地域本社では2020年より「Friends-International」とパートナーシップを結び“Empower Her”プロジェクトの支援を開始。これは、経済的に厳しい環境にいるカンボジアの女性を対象に美容訓練プログラムを提供し、美容業界への就労を支援する取り組みです。資生堂は、寄付金や製品提供のほか、美容訓練のカリキュラム構築に関与するなど積極的な支援を行っています。
※参考:資生堂「サステナビリティ|社会」
いかがでしたでしょうか?
今回は国内企業のSDGsの取り組みについて、目標1~5ごとに紹介してきました。目標6以降の事例は次の更新をお待ちください。
2015年にSDGsが国連サミットで採択され、「サスティナビリティ(=持続可能性)」が注目されれるようになり、企業は環境や社会、経済に配慮したサスティナブルな経営を求められています。サスティナブルな取り組みを行うことは、企業イメージが向上やブランディングにつながります。
企業のサステナブルな活動はSDGs、CSRやESGとともに今後さらに注目されることになります。当社エコ・ブレインでもサスティナブル経営やSDGsへの取り組み等、各社動向にアンテナ張っております。サスティナブル経営・SDGs取り組みなどについてご相談がある方は、エコ・ブレインまでご相談ください!
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