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飲食関連企業のプラスチックごみ削減の取り組みとは?

コラム

飲食関連企業のプラスチックごみ削減の取り組みとは?

2023/01/20
プラスチックごみによる環境汚染の問題がメディアで取り上げられる機会が増え、プラスチック削減への関心が高まっています。2020年にはレジ袋有料化がスタートし、日常生活の中でもプラスチックを取り巻く状況に変化がおきています。

そうしたなかで、2022年4月から「プラスチック資源循環促進法」が施行され、企業によるプラスチックごみの削減やリサイクル促進に関する取り組みが注目されています。

そこで今回は、プラスチックごみ削減の取り組みについて、飲食関連企業の実例をご紹介します。

(写真素材:photo AC)



企業のプラスチック削減対策

プラスチックは、軽量で丈夫、かつ形成しやすく密閉性も高いといった特徴から、さまざまなシーンで活躍しています。しかしその一方、ほとんどのプラスチックが自然界で分解されないために引き起こされる環境問題が、喫緊の課題となっています。現在、世界中の多くの企業がプラスチックごみの対策を講じています。

それでは、実際にどのような取り組みがなされているのでしょうか? ここでは国内の飲食関連の大手企業をピックアップして、プラスチックごみ削減に向けた取り組みの内容をご紹介していきます。


外食産業


マクドナルド

マクドナルドでは「2025年末までに、すべてのお客様提供用パッケージ類を、再生可能な素材、リサイクル素材または認証された素材に変更する」という目標を掲げ、地球環境に配慮した取り組みを進めています。

・紙ストロー・木製カトラリーの導入
2022年10月より全国の店舗にて、紙ストロー、木製カトラリーの提供を順次導入。ストローの原料(紙)・個包装の紙、カトラリーの木材・個包装の紙は環境や社会に配慮したFSC認証材が使用されています。

・プラスチックカップから紙カップに変更
2016年より、アイスコーヒーのカップがプラスチック製から紙製に変更されました。紙カップにはFSC認証紙が使用されています。

・プラスチックバッグの削減
プラスチックバッグ削減のため、テイクアウト時は紙袋の使用を基本としています。また、2018年より、1ドリンクのみを入れるプラスチックバッグを導入し、プラスチックの使用量を削減。

なお、プラスチックバッグの素材には、植物由来の原材料からつくられたポリエチレンを使用し、環境負荷の低減を進めています。



タリーズコーヒー

タリーズコーヒーでは、リユーザブルなカトラリーの利用推進や環境負荷の資源を採用するなど、再利用や省資源の取り組みが行われています。

・コールドプラカップを紙カップに変更
一部アイスドリンクの紙カップ提供を全国で導入しています。紙カップはホット・コールド兼用、ストローも不使用となります。これにより、プラスチック使用量が年間100t以上削減される見込みとのこと。

・リユーザブルなカトラリーの使用推進
店内飲食の際、プラスチック製のものの代わりに、ステンレス製のリユーザブルなカトラリーを使用することを推進しています。

・バイオマスプラスチック25%配合の資材の提供
ストローやテイクアウト用のレジ袋は、植物由来の非分解性プラスチックである「バイオマスプラスチック」を25%配合した、環境負荷の少ない素材を使用しています。なお、ストローについては長さも3センチ短くすることで、CO2の排出の削減につなげています。

・コーヒー豆の皮「シルバースキン」の活用
コーヒー生豆を焙煎する工程で取り除かれる薄い種皮「シルバースキン」を配合した、「シルバースキン配合紙ナプキン」「シルバースキン配合紙ストロー」を使用。シルバースキンを有効利用することによりプラスチック・紙パルプ原料の削減を図っています。




すかいらーくグループ

すかいらーくグループは、環境経営目標で「2030年までに使い捨てプラスチックにおける石油由来プラスチック比率をゼロにする」を掲げ、2018年より石油由来のプラスチック製品の削減に段階的に取り組んでいます。 

・プラスチック製ストローの廃止
2022年1月よりすかいらーくグループ各店舗の従来のバイオマスストローを、FSC認証Ⓡの紙製ストローに変更。FSC認証Ⓡの紙製ストローは、ドリンクバーを注文した利用客が“希望する”する場合に提供。2020年は2018年対比で89%削減済(約1,100万本)とのこと。

・竹割り箸の個包装をプラスチックから紙に変更
2020年8月より順次、すかいらーくレストランツ全店にて、竹割り箸の包装をプラスチックから環境に優しい紙に変更しています。

・レジ袋をバイオマスプラスチックに変更
2019年12月、テイクアウト・レジ袋を石油由来のプラスチックから環境に優しいバイオマスプラスチックに変更。バイオマスプラスチックは、生物資源から作られた合成樹脂で、同社で導入した素材は植物由来(ポリ乳酸・とうもろこし)の原料から作られているそう。

・カトラリーをバイオマスプラスチックから木製に変更
2022年1月よりすかいらーくグループ各店舗では、持ち帰り・宅配用のカトラリーをバイオマスプラスチックから木製に変更しています。2022年の使い捨てバイオマスプラスチック製カトラリーの使用量を2020年比75%削減、プラスチック使用量86トン削減を実現。



食品小売業


セブンイレブン

日本全国に21,000を超える店舗を持つセブンイレブン。セブン&アイグループでは、環境宣言「GREEN CHALLENGE 2050」において、2030年までにオリジナル商品で使用する容器包装を50%、2050年までに100%環境配慮型素材にすることを目標として掲げ、容器・包装に係る環境負荷の低減を推進しています。

・プラスチック使用量削減の取り組み
セブンイレブンのサラダシリーズ「カップデリ」の容器のフタが「トップシール」に変更されています。これにより、従来の容器と比較して1個当たり約25%のプラスチック使用量を削減。(2021年度プラスチック削減量:約203トン※ 2018年度にカップデリ本体蓋容器へ使用したプラスチック重量との比較)

・石油由来のプラスチックカトラリー削減
バイオマス素材を30%配合したスプーンやフォーク等、環境配慮型カトラリーを順次、全国のセブンイレブンに導入。2030年までに、2018年度石油由来のプラスチックカトラリー使用量対比50%を削減目標として取り組まれています。

・レジ袋削減
石油由来のプラスチック使用量を削減するため、レジ袋は環境に配慮したバイオマス素材30%配合環境配慮型のみを推奨。



イオン

イオンは、CO2排出量ゼロの持続可能なプラスチック利用を目指し、下記のような目標を掲げて取り組みが進められています。
  • 2030年までに、使い捨てプラスチック使用量を2018年比で半減します。
  • 2030年までに、全てのPB商品で環境・社会に配慮した素材を使用します。
  • 2030年までに、PB商品のPETボトルを100%再生又は植物由来素材へ転換します。

・プラスチックカトラリーの削減
スプーンやフォークなどを順次木製や紙製などの環境配慮素材に切替え、年間約150トンのプラスチックを削減を目指しています。

・レジ袋の削減
イオンでは、1991年から「買物袋持参運動」を通じて利用客とともにレジ袋の削減に取組んでいます。2021年は約32億枚の削減を実現しました。

・環境配慮容器包装の取り組み
バイオマスプラスチック容器などの環境に配慮した容器・包装への切り替えが進められています。また、消費者が環境に配慮した容器包装商品を選びやすくするため、トップバリュ基準を満たした容器包装に付与する「トップバリュ環境配慮資材マーク」を制定し、対象商品への付与を進めています。



食品製造業


明治

明治グループは、2020年7月に「明治グループプラスチック資源循環ポリシー」を制定、2030年度までに容器包装などのプラスチック使用量を25%以上削減(2017年度比)する目標を定めています。商品の品質は確保しながら、パッケージや容器の減容化、薄肉化を進めています。

・環境配慮型容器に切り替え
プロテインブランド「ザバス」シリーズのプラスチックカップを、バイオマスプラスチックを10%配合した環境配慮型容器に変更。今後は「明治おいしい牛乳」のキャップなども環境配慮型素材へ切り替えが予定されています。

・ストローにバイオマスプラスチックを配合
2021年2月より、飲料商品のストローをバイオマスプラスチックを5%配合した製品に順次切り替えています。

参照:明治


ネスレ日本

ネスレは2030年に向けた長期的な目標として「事業活動における環境負荷ゼロを目指すこと」を、持続可能なパッケージへの取り組みについては「プラスチックパッケージを100%リサイクル可能に設計する」「2025年までにバージンプラスチックの使用量を3分の1削減する」というコミットメントを掲げています。

・紙パッケージへの切り替え
2019年から「キットカット」大袋製品の外袋素材をプラスチックから紙に変更する取り組みを始め、2020年にはほぼすべての「キットカット」大袋製品へと拡大しています。取り組み開始以来累積790トン(2021年末時点)のプラスチック削減が実現。

また2022年3月に、ネスレ ピュリナ ペットケアでキャットフード「モンプチ」一部製品の外袋を紙パッケージに順次変更。これにより年間約78トンのプラスチック削減が見込まれています。

・ストローをプラスチックから紙製へ
2021年1月、ネスレ ヘルス サイエンス「アイソカル」製品のストローの材質を業界で初めてプラスチックから紙に変更。紙ストロー採用により、累積7.6トン(2021年末時点)のプラスチックを削減しました。

・ラベルレス製品の発売
2022年3月、ラベルを剥がす手間の軽減や、ごみの削減につながる「ネスカフェ エクセラ ボトルコーヒー」のラベルレス製品を発売しました。



いかがでしたでしょうか?

今回は、飲食関連企業のプラスチックごみ削減に関する取り組みについてまとめました。プラスチックごみによる環境汚染問題解決に向けた動きや、プラスチック資源循環促進法の制定などにより、各企業でプラスチック削減の取り組みが進められています。

2015年にSDGsが国連サミットで採択され、「サスティナビリティ(=持続可能性)」が注目されれるようになり、企業は環境や社会、経済に配慮したサスティナブルな経営を求められています。サスティナブルな取り組みを行うことは、企業イメージが向上やブランディングにつながります。

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