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「特定プラスチック使用製品」とは? 対象製品や対象業種などを解説

コラム

「特定プラスチック使用製品」とは? 対象製品や対象業種などを解説

2022/12/27
2022年4月1日から「プラスチック資源循環促進法」が施行されました。この法律は、メーカーによる設計や製造の段階からプラスチック廃棄物の処理までにかかわる、包括的にプラスチック資源が循環する仕組みの構築を目指し、取り組みを促進することを目的としています。

この「プラスチック資源循環促進法」に基づき、事業者は「特定プラスチック使用製品」について有料化や再利用といった対応を求められています。今回は、「特定プラスチック使用製品」について解説します。



「特定プラスチック使用製品」とは?

特定プラスチック使用製品は、法律で「商品の販売又は役務の提供に付随して消費者に無償で提供されるプラスチック使用製品(容器包装リサイクル法第2条第1項に規定する容器包装を除く。)として政令で定めるもの」と定義されています。具体的な対象製品は次の項で示しています。

主務大臣は必要がある場合、全ての特定プラスチック使用製品提供事業者に必要な指導及び助言を行います。また、特定プラスチック使用製品多量提供事業者に対して、取組が著しく不十分な場合に勧告・公表・命令等を行うことがあります。命令に違反した場合は50万円以下の罰金が処せられます。

「特定プラスチック使用製品多量提供事業者」とは、前年度において提供した特定プラスチック使用製品の量が5トン以上の事業者をいいます。


対象製品・対象業種とは?

具体的な対象となる製品は、政令で指定している以下の12製品。ただし、飲料パックとストローが一体となって販売されているなど、商品と一体不可分として販売されている場合や、主たる素材がプラスチック製ではない製品は、特定プラスチック使用製品の対象とはなりません。

対象製品

対象業種

  • フォーク
  • スプーン
  • テーブルナイフ
  • マドラー
  • 飲料用ストロー

  • 各種商品小売業(無店舗のものを含む)
  • 飲食料品小売業(野菜・果実小売業、食肉小売業、鮮魚小売業及び酒小売業を除き、無店舗のものを含む)
  • 宿泊業
  • 飲食店
  • 持ち帰り、配達飲食サービス業

  • ヘアブラシ
  • くし
  • かみそり
  • シャワーキャップ
  • 歯ブラシ

  • 宿泊業

  • 衣類用ハンガー
  • 衣類用カバー

  • 各種商品小売業(無店舗のものを含む)
  • 洗濯業



特定プラスチック使用製品提供事業者に求められる取組とは?

特定プラスチック使用製品提供事業者には、以下のような取り組みが求められています。

  1. 目標の設定…特定プラスチック使用製品の使用の合理化に関する目標を定め、これを達成するための取組を計画的に行うこと。
  2. 特定プラスチック使用製品の使用の合理化…特定プラスチック使用製品の使用の合理化のための取組を行うことにより、プラスチック使用製品廃棄物の排出を抑制すること。
  3. 情報の提供…店頭で排出の抑制に資する事項を掲示する、使用の合理化の取組内容をインターネット等で公表する、提供する特定プラスチック使用製品に排出の抑制の重要性に関する表示を付すといった、消費者による排出の抑制を促進するための情報を提供すること。
  4. 体制の整備等…特定プラスチック使用製品の使用の合理化のための取組に関する責任者の設置といった体制の整備を行うこと。従業者に対し、特定プラスチック使用製品の使用の合理化のための取組に関する研修といった措置を講ずること。
  5. 安全性等の配慮…特定プラスチック使用製品の使用の合理化を図る際には、安全性、機能性その他の必要な事情に配慮すること。
  6. 実施状況の把握…特定プラスチック使用製品の提供量、使用の合理化のために実施した取組及びその効果を把握し、インターネット等で公表するよう努めること。
  7. 関係者との連携…特定プラスチック使用製品の使用の合理化のための取組を効果的に行うため、国、関係地方公共団体、消費者、関係団体及び関係事業者との連携を図るよう配慮すること。その際、必要に応じて取引先に対し協力を求めるものとすること。
  8. 加盟者における特定プラスチック使用製品の使用の合理化…本部事業者は、加盟者の事業において提供する特定プラスチック使用製品について、使用の合理化に関し必要な指導を行い、プラスチック使用製品廃棄物の排出を抑制するよう努めること。加盟者は、本部事業者が実施する特定プラスチック使用製品の使用の合理化のための措置に協力するよう努めること。

特定プラスチック使用製品提供事業者は、「特定プラスチック使用製品提供事業者の特定プラスチック使用製品の使用の合理化によるプラスチック使用製品廃棄物の排出の抑制に関する判断の基準となるべき事項等を定める省令」に従って、「特定プラスチック使用製品」の削減に向けて目標を設定し、特定プラスチック使用製品の使用の合理化に取り組む必要があります。

目標の設定と特定プラスチック使用製品の使用の合理化については、次の項で解説します。


「目標の設定」と「特定プラスチック使用製品の使用の合理化」とは?

特定プラスチック使用製品提供事業者は、特定プラスチック使用製品の削減に向けた目標設定
・特定プラスチック使用製品の使用の合理化に取り組む必要があります。ここではそれぞれの内容について解説します。

■目標の設定

特定プラスチック使用製品提供事業者は、特定プラスチック使用製品の使用の合理化を図るため、その事業において提供する特定プラスチック使用製品の使用の合理化に関する目標を定め、これを達成するための取組を計画的に行う必要があります。

特定プラスチック使用製品の提供実態等は、業種や業態により異なるため、国において一律に使用の合理化の目標を設定するものではなく、事業者自ら目標を設定します。


■特定プラスチック使用製品の使用の合理化

特定プラスチック使用製品事業者は、特定プラスチック使用製品の使用の合理化の取り組みを行い、プラスチック使用製品廃棄物の排出を抑制することが求められています。

特定プラスチック使用製品の使用の合理化の取組が求められる事業者は、特定プラスチック使用製品の提供量の多さに関わらず、全ての特定プラスチック使用製品提供事業者です。特定プラスチック使用製品提供事業者の取引先は、特定プラスチック使用製品提供事業者の求めに応じて、使用の合理化の取組に協力します。

商品の販売・役務の提供
  • 消費者に提供する特定プラスチック使用製品を有償で提供すること
  • 消費者が商品を購入または役務の提供を受ける際に、提供する特定プラスチック使用製品を使用しないように誘引するための手段として景品など(ポイント還元など)を提供すること
  • 提供する特定プラスチック使用製品の使用について消費者の意思を確認すること
  • 提供する特定プラスチック使用製品について繰返し使用を促すこと
  • その他の措置を講ずることにより、消費者によるプラスチック使用製品廃棄物の排出の抑制を促進すること

特定プラスチック使用製品の提供
  • 薄肉化、軽量化その他の特定プラスチック使用製品の設計又はその部品若しくは原材料の種類について工夫された特定プラスチック使用製品を提供すること
  • 適切な寸法の特定プラスチック使用製品を提供すること
  • 繰返し使用が可能な製品を提供すること
  • その他の措置を講ずることにより、自らの特定プラスチック使用製品の過剰な使用を抑制すること


特定プラスチック使用製品の使用の合理化の目標や提供量、取り組んだ内容は国に報告する義務はありませんが、設定した目標や提供量、取り組んだ内容、およびその効果については、自社のホームページ、環境報告書や統合報告書などで公表するようお願いがなされています。


具体的な取り組みは?

特定プラスチック使用製品の使用の合理化に取り組むに当たって、必ず有料化しなければいけないわけではなく、その方法は様々あります。国が示す判断基準にしたがって、業種や業態に応じて有効な取組を選択して行いましょう。

先行事例
  • 飲食店やコンビニエンスストアなどで、木製スプーンや紙ストローを提供する。
  • テイクアウトの飲料の蓋をストローが不要な飲み口機能付きに変更する。
  • スプーンやフォークを有償で提供する。
  • 宿泊施設で、アメニティを部屋には置かず、必要な方はフロントに声をかけたりアメニティコーナーで受け取ることができるようにする。
  • クリーニング店でハンガーを店頭回収し、リユースまたはリサイクルを行う。


いかがでしたでしょうか?

今回は、特定プラスチック使用製品について解説しました。

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(参考サイト)プラスチック資源循環

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