コロナで家庭ごみ増加…自治体の現状や違反ごみ
新型コロナウイルス感染症拡大による外出自粛の影響のため、家庭から排出されるごみの量が大幅に増加しています。各地で食料品等を含めた可燃ごみが増えているほか、資源ごみや粗大ごみの排出量についても、前年から大きく上回った例もみられているそう。
これは日本に限った話ではなく、世界各国でもコロナ禍の家庭ごみの増加は問題視されています。特にプラスチックごみは、以前から課題に挙げられていましたが、テイクアウトやデリバリーサービスの拡充によりプラスチック容器の使用頻度が高まっています。また、フェイスシールドや手袋、オンラインショッピングの注文商品の配送用緩衝材なども需要が増えており、リサイクルできずに廃棄物として急増しています。
数字で見るコロナ禍の日本の家庭ごみ
東京二十三区清掃一部事務組合の発表 (https://www.union.tokyo23-seisou.lg.jp/kanri/documents/influence-of-covid19.pdf) によれば、2021年1月4~24日に23区で回収され、清掃工場に搬入された可燃ごみは約11万トン。この数値は主に家庭から排出されたごみについてであり、前年のほぼ同時期に比べて約11%増えています。
昨年春に緊急事態宣言が発令された際に関しては、4月が約8%増、5月が役10%増と前年よりも増加しました。9月以降は落ち着きが見られたものの、第3波が到来し再び緊急事態宣言が発令されたことによる帰省・外出自粛が影響したのか増加傾向が強まっているようです。
大阪市が公表している昨年度の4~9月の普通ごみの収集量についても、8月を除き軒並み前年を上回る量となりました。特に6月は約13%増と大幅な増加がみられました。資源ごみや容器包装プラスチックの収集量も増えており、粗大ごみについては講評されている月のすべてが前年度の数値を大きく超える結果でした。
ごみ増加で悲鳴も…自治体の取り組み
家庭から排出されるごみは「家庭系一般廃棄物」に分類され、その処理に関する責任は区市町村にあります。家庭ごみが増加していることを受けて、苦しい声が上がっている受け入れ側の自治体もあります。
ごみ収集は滞ることはなくとも、処理が追い付かない状況に陥った施設も。ごみの量が増え続けると収集に影響が出る可能性もあり、何度かにわけて決められた収集日に出してもらえるようお願いを出す自治体もあります。そのため、下記のような状況や取り組みが行われています。
古着・古布の回収休止
新型コロナウイルスの影響で、リサイクル業者の業務が停止状態になっているのを受けた措置。これまで海外に輸出されていた古繊維(衣料品)が国内に大量に滞留しており、保管場所の不足が全国で深刻化しており、家庭での保管をお願いしています。
自己搬入に個数制限/受入休止
巣ごもり時間が増え、模様替えや片付けなどの需要から、粗大ごみを含む家庭ごみの自己搬入の受付件数も増加しているそう。施設の入口付近で渋滞が発生することや受付時に「密」な状態となるため、1日の持ち込み個数を制限するなどの措置が取られています。また、持ち込み量が急増する期間を前に受け入れ休止を決断した施設も。
家庭ごみの削減の啓発
東京都は感染再拡大を受け、食品ロスやプラスチックの削減を呼びかける啓発動画を公開しています。千葉県成田市はテイクアウトやデリバリーでプラスチック容器の使用が増えていることから、ホームページ上で捨てる際の注意点を掲載。適切にリサイクルできるよう汚れを落としたり、レジ袋などで二重に包まないよう呼びかけています。
違反ごみ、感染対策の捨て方もチェック
新型コロナの影響で家庭ごみが増加している件については、メディアでも取り上げられていますが、同時に「違反ごみ」に関する指摘も上がっています。
違反ごみとは自治体が出しているゴミ出しのルールに違反しているものを主に指し、そのほかにも住んでいるマンションやアパートのルールに違反している、マナーを守っていない場合にも当てはまることがあります。
分別せずに様々なごみが入っていたり、袋が閉じていなかったり、危険物の混入ごみなどがあります。ガスボンベやスプレー缶、ライター、モバイルバッテリーなどに使われているリチウムイオン電池などは危険性が高いのになぜかなくなりません。
各自治体でごみの分別方法、収集日時が異なることや廃棄物によっては処分方法が難しいというのも、違反ごみがなくならない原因の一つでしょう。しかし、違反ごみがあることでごみ収集に時間がかかったり、収集されずに長時間放置されて害虫・害獣被害にあうなどのリスクが高まります。
また、新型コロナなどの感染対策のために、環境省より家庭ごみの捨て方について通知が出されています。
ご家庭でのごみの捨て方
①ごみ袋はしっかり縛って封をしましょう!
②ごみ袋の空気を抜いて出しましょう!
③生ごみは水切りをしましょう!
④普段からごみの減量を心がけましょう!
⑤自治体の分別・収集ルールを確認しましょう!
感染対策のためにマスクやペットボトルなど個別に捨て方を発表されているものもあります。環境省やお住まいの自治体のごみの捨て方について、今一度チェックすると安心かもしれません。
外出自粛による家庭ごみの増加のため、各自治体でごみの削減や感染対策に配慮した捨て方の徹底を呼びかけるなど、さまざまな対応が行われています。家に居る時間が増えた今だからこそ、ごみの分別や捨て方をおさらいしてみるのも一つかもしれません。
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