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定義や種類など、近年注目の「新エネルギー」について解説

コラム

定義や種類など、近年注目の「新エネルギー」について解説

2022/07/22
「新エネルギー」という言葉、近年はよく見聞きすることが多いと思います。SDGsの採択や、「2050年カーボンニュートラル宣言」などを受け、日本でも気候変動問題解決に向けた取り組みが進められています。そうした中で注目を集めているのが「新エネルギー」です。

今回はこの「新エネルギー」について、その定義や注目を集めている理由などについて解説していきます。

新エネルギーとは?

新エネルギーの範囲は、技術革新の進捗などを踏まえて、これまで種々見直されてきました。現在は、新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法(新エネ法)で「非化石エネルギーのうち、技術的に実用段階に達しつつあるが、経済性の面での制約から普及が十分でないもので、非化石エネルギーの導入を図るために特に必要なもの」と定義されています。具体的には以下の10種類が規定されています。

・バイオマス(動植物に由来する有機物)を原材料とする燃料製造
・バイオマス(動植物に由来する有機物)熱利用
・太陽熱利用
・河川水などを熱源とする温度差熱利用
・雪氷熱利用
・バイオマス(動植物に由来する有機物)発電
・地熱発電(バイナリー発電)
・風力発電
・水力発電(出力1,000kW以下)
・太陽光発電 

上記が狭義での新エネルギーであり、国の政策として特に推進すべきものとされています。広義では、太陽光や風力、地熱といった地球資源の一部など自然界に常に存在するエネルギーのことを指し、新エネルギーは再生可能エネルギーの中に含まれる位置づけになります。また、再生可能エネルギーの普及、エネルギー効率の飛躍的向上、エネルギー源の多様化に資する新規技術であって、その普及を図ることが特に必要なもの「革新的なエネルギー高度利用技術」(ヒートポンプ、天然ガスコージェネレーション、燃料電池、クリーンエネルギー自動車等も広義では新エネルギーに含まれます。

新エネルギーの特徴は?

では、上記で挙げた新エネルギーそれぞれの特徴についてみていきましょう。

■バイオマスを原材料とする燃料製造
イオマスとは、動植物から作られた再生可能資源の総称のことを指し、これらの資源から燃料を製造することを「バイオマス燃料製造」と言います。

バイオマス燃料には、薪や木くずなどから作った「木質ペレット」などの固体燃料、廃食油などを加工した「バイオディーゼル燃料(BDF)」やサトウキビの糖液を取った後の残りかす(バガス)を加工した「バイオエタノール」などの液体燃料、そして家畜の糞尿から作るメタンガスなどの気体燃料と、様々なものがあります。


■バイオマス熱利用
バイオマス熱利用とは、バイオマス資源を直接燃やした際に出る蒸気の熱を活用したり、バイオマスを発酵させて発生したメタンガスを燃やして利用することを指します。


■太陽熱利用
太陽の熱エネルギーを太陽熱集熱器などで集めて、熱媒体を温めることによってお湯を沸かしたり、暖房に利用るシステムです。設置や操作が簡単で、専門的な知識がなくても扱えるため手軽に導入できる特徴があります。

太陽熱の導入により、年間で1世帯当たり年間2.5万円~2.9万円の光熱費(ガス代)削減効果と、年間0.4~0.6t-CO2のCO2排出量削減効果が期待できるとされています。


■河川水などを熱源とする温度差熱利用
温度差熱利用は、地下水、河川水、下水などの水源を熱源としたエネルギーです。夏場は水温の方が低く、冬場は水温の方が高いという特性から、その温度差を利用し、水が持つ熱をヒートポンプによって給湯や冷暖房のエネルギーとします。冷暖房など地域熱供給源として全国で広まりつつあるクリーンエネルギーです。


■雪氷熱利用
冬に降った雪や凍らせた氷を保管し、冷熱が必要になる時季に、冷房や農作物の冷蔵として利用することを言います。寒冷地の気象特性を活用するため、利用地域は限定されますが、資源は豊富にあること、一般的な電気冷房に比べて、ランニングコストが約1/4程度ですむことなどから注目されています。


■バイオマス発電
バイオマス燃料を直接燃焼したり、ガス化させることで発電する方法です。
気候に左右される太陽光や風力発電に比べて安定した発電量が見込め、廃棄物の再利用や減少につながるといったメリットがあります。

また、成長過程で二酸化炭素を吸収するバイオマス資源を燃料とした発電、トータルで見ると大気中の二酸化炭素量を増やすことにならない、という特徴を持ちます。


■地熱発電(バイナリー発電)
地下のマグマの熱エネルギーを利用した発電方法です。地上で降った雨や雪は、マグマ層まで浸透すると、マグマの熱で蒸気となり地下に溜まります。その蒸気を取り出し、タービンを回して電気を作ります。

地熱発電には大きく2つの方法がありますが、新エネルギーとして認められているのは「バイナリー方式」のみです。

■風力発電
風の力を利用してタービンを回転させ、そのエネルギーを電気に変える発電方法です。風があれば夜間も発電でき、陸上でも洋上でも発電可能、さらに風力エネルギーは高効率で電気エネルギーに変換できるといったメリットがあります。


■水力発電
水の持つ位置エネルギーを利用して、水を上から下へ流し、その力で水車を回転させて電気を作り出します。自然条件によらず、一定量の電力を安定的に供給が可能な、発電時にCO2を排出しないクリーンエネルギーによる発電方法です。


■太陽光発電
太陽の光エネルギーを太陽電池(半導体素子)を用いて、直接電気に変換する発電方法です。太陽光パネルにあるシリコン半導体に光が当たることで電気が発生します。屋根や壁などに設置できるため、導入しやすく、日本における導入量も着実に伸びています。


新エネルギーが必要なワケは?

新エネルギーは国の政策として、推進されています。では、なぜ新エネルギーが必要とされているのでしょうか? 主に以下の3点が理由として挙げられます。

■地球環境への配慮
地球温暖化によるものとみられる異常気象が世界各地で発生するなど、気候変動は世界的な課題です。現在、日本含む世界の国々で2050年までのカーボンニュートラルを目指す動きが見られています。

温室効果ガスの大半を占めるのはCO2であり、その排出の大きな要因となっているのが、火力発電による石油や石炭、天然ガスなど化石燃料の燃焼です。CO2を排出しない新エネルギーおよび再生可能エネルギーを推進することが国際的に求められています。

また、石油・石炭など多くの化石燃料は有限であり、現在のペースで消費されると石油はあと40年でなくなるとの見方も。エネルギーの安全保障の観点から、有限燃料からの脱却し、新エネルギーに転換していく必要があります。


■エネルギー自給率の向上
日常生活や経済活動を維持するために欠かせないエネルギーですが、日本はエネルギー自給率が非常に低い国です。2018年の日本の自給率は11.8%で、ほかのOECD諸国と比べると低水準となっています。日本は国内のエネルギー資源が乏しく、エネルギー源として使われる石油・石炭・液化天然ガス(LNG)などの化石燃料の多くを、海外からの輸入に依存しています。

2011年までは、原子力発電が日本のエネルギー自給率を上げていましたが、東日本大震災の影響で国内の原子力発電所が停止し、ふたたび火力発電が増加しています。安全かつ安定的にエネルギーを確保し自給率を上げるため、新エネルギーに注目が集まっているのです。


■地域経済の活性化
新エネルギー・再生可能エネルギーは、環境負荷軽減のため導入を推進されていますが、近年は復興や地域活性化のための足掛かりとされることもしばしば。

都心から離れた地方では、人口の減少や不況などにより財政難に陥っている市町村も多く見られます。こうした地域で新エネ・再エネを導入・活用し、電力を地域で地産地消することで地域経済の活発化、および雇用を創出することができるでしょう。また、エネ・再エネを利用する地方が増えることで、日本全体に普及し、大きな経済効果を得られると考えられています。


新エネルギーの各種支援制度

新エネルギーの導入・普及のため、様々な支援制度が整えられています。ここではその一部をご紹介します。

■補助金
・水力発電の導入加速化補助金(既存設備有効活用支援事業)
水力発電の既存設備の有効活用を図るため、増出力または増電力量を図る設備更新、改造を支援。

・地域共生型再生可能エネルギー等普及促進事業費補助金
地域の再エネと蓄電池等の調整力、系統線を活用し、災害時にも自立して地域に電力を供給できる「地域マイクログリッド」の構築を図る民間事業者等(地方公共団体の関与必須)を支援。

■税制
・再生可能エネルギー発電設備に係る課税標準の特例措置(固定資産税)
再生可能エネルギー発電設備に対して、固定資産税を軽減する措置。

・地域未来投資促進税制
地域経済牽引事業計画に従い、建物・機械等の設備投資を行う場合、法人税等の特別償却又は税額控除を受けられる。

■融資
・環境・エネルギー対策資金(非化石エネルギー設備関連)
中小企業や個人事業主が、非化石エネルギー設備(再生可能エネルギー設備)を取得(改造、更新を含む。)するために必要な設備資金を融資。



いかがでしたでしょうか?

今回は近年注目を集める「新エネルギー」について見てきました。

2050年までのカーボンニュートラル実現が目指されている今、新エネルギーの推進は非常に重要であり、喫緊の課題と言えます。新エネの導入は国の主導により進められていますが、民間事業者・地方公共団体等でも取り組まれることが求められています。

CO2削減は国際的な課題であり、企業においても環境へ配慮した経営が望まれている今、新エネなどにも目を向け、今できることから始めていくことが重要です。



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