世界的な物価の高騰が続き、日本でもガソリン価格の上昇が話題になり、食品をはじめ幅広く生活用品が「値上げ」し、家計そして企業を圧迫しています。いわゆる「値上げラッシュ」は、エネルギー価格の上昇にウクライナ問題、円安といった様々なことが影響しており、今年の夏以降に本格化するとした調査もあります。
ただモノによっては、いまだに高騰し続けるものもあれば、反対に価格上昇が落ち着き、相場が下がりつつあるものもあります。
今回は主に有価物と言われるモノの現在の相場、および市況について見ていきたいと思います。
有価物とは?
まず、有価物について解説していきます。
一般的に有価物とは、「自分で使える」もしくは、自分にとって必要なくとも誰かにとっては必要な「その物自体の価値はまだ残っている物」のことを指します。例えば、画面が割れてしまったスマホは自分にとっては、ごみとなるかもしれませんが、修理に出せばまだ十分に使えると判断できるものは「有価物」となります。また、古着屋などで買い取ってもらえる不要な服や、メンテナンスをしてリサイクルショップで売りに出せる家電なども該当します。反対に、価値がゼロと判断できるものは廃棄物に当たります。
有価物と廃棄物の判断は一見簡単に見えて、実は法律上はっきりとした区別は難しいのです。廃棄物か有価物かは、原則的に以下の5つの要素を総合的に判断されます。5つの判断基準のうち、1つの基準で廃棄物だったとしても、他の基準に照らした場合に有価物になる可能性があります。逆も然りです。
①その物の性状…品質が利用用途に合っており、かつ飛散や流出、悪臭等がないか
②排出の状況…計画的に排出されており、適切な保管・品質管理がされているか。
③通常の取扱い形態…製品として市場が成立しているか。
④取引価値の有無…受け取る側に対し、有償で引き渡されているか。
※処理料金に該当する金品の受け渡しがあると廃棄物とみなされる。また引き渡し時の価格が、輸送費用などを差し引いても引き渡し側に損失がある場合も、廃棄物の収集運搬とみなされる。
⑤占有者の意思…占有者に適切な利用、または他人に有償で引き渡す意思があるか。
それぞれの市況や価格は?
それでは、有価物の現在の価格はどうなっているのでしょうか? ここでは、一部を取り上げて紹介していきます。
■スクラップ鉄
鉄スクラップ【H2】の価格(円/トン)
(東京)37500(大阪)34000
※2022/7/8調べ 出典:産業新聞
日本の鉄スクラップ相場は、4月上旬をピークに下落を続けています。国内高・海外安で輸出が細り、国内需給は3カ月以上にわたり緩和状態に。2月末のロシアのウクライナ侵攻から世界的に急騰しましたが、侵攻後4か月経過し、一転して大幅下落。ロシア産の安価な半製品がトルコ、中東、アジア地区に流入し、下落圧力をもたらしているとされています。
引き続き海外からの下げ圧力はかかっていますが、国内鉄スクラップ相場の下げの幅と速度は緩んでいくのでは、という見方も出始めています。円安効果で比較的高値を保っているとはいえ、弱含み基調が継続しそうな状況にあるといえます。
■銅
銅の価格
9,024.46 USドル/トン
円換算: 1,207.43 円/kg
※2022年6月の平均価格 LME(ロンドン金属取引所)での先物清算値
銅価格は今年に入り、最高値を更新しました。ウクライナ危機と円安によって円建て銅価格の高騰に拍車がかかった形。しかし、世界的な景気減速懸念から需要減を警戒した売りが強まったことにより、5日のロンドン金属取引所(LME)の銅相場は一時1年7カ月ぶりの安値に下落しました。
銅価格は下げ足を強めてはいるものの、世界的な脱炭素シフトの流れから再生可能エネルギー、電気自動車の導入拡大を受け、銅需要は増え続けるとみられます。中長期的には高水準への上昇も考えられますが、今後、中国の影響などにより銅価格は弱含みに推移するのではと推測されます。
■アルミ缶
アルミ缶(プレス)の価格(円/キロ)
197~202(前年同月:131~136)
※2022年6月24日時点、非鉄金属問屋買い入れ単価 出典:日本経済新聞
アルミ缶プレスの価格は、現在は197~202円/キロ。アルミ缶プレスの市中価格はしばらく上昇傾向にあり、2022年 4月22日時点では232~237円/キロと、ここ近年で特に高い値に。4月をピークに相場が下がりつつありますが、それでも高い水準で推移しています。
アルミニウムの需要は中長期的に増加傾向にあり、自動車や電池、建設などの用途で、さらには米国や欧州では飲料缶などの用途で需要が増えています。
今後、ウクライナ侵攻による世界経済への影響や、中国のロックダウン政策に伴う景気への影響などが、アルミニウムの価格を下落させる要因になりえます。しかし、エネルギー価格の高止まりによる生産コストの増加や、中国のアルミニウム生産能力が上限に近づいていることなど上昇要因も考えられるため、以前の価格水準まで戻るには時間がかかるのではないでしょうか。
■古紙・段ボール
古紙(東京市場)の価格(円/キロ)
段ボール:5〜8円 (前年同月:4〜5円)
新聞:6〜7円 (前年同月:6円)
雑誌:2〜4円 (前年同月:2〜3円)
※2022年6月30日時点、回収問屋買値、現金 出典:日経市況
古紙問屋が回収事業者から仕入れる段ボール古紙の東京市場の買値は現在、1キロ5~8円。古紙の国内価格が軒並み上昇し、4月末時点で上値が1円切り上がりました。段ボール古紙が約2年半ぶり、雑誌古紙も約2年ぶりの高値に。 古紙価格の上昇は、印刷用紙や段ボール原紙などの紙製品の価格を押し上げる要因となりえます。
古紙価格の上昇には、コロナ禍で古紙の発生量が減る一方、トラックの燃料代など回収費用が高騰していることが影響していると見られています。さらに、近年はネット通販が拡大するなどにより、段ボールの需要が増加し、世界的に古紙需要が高まっています。
現在、古紙価格は高止まりしている状態です。段ボールの需要が伸びている一方で、関東製紙原料直納商工組合の5月末在庫は、段ボール・新聞・雑誌の3品合計で前年同月末比22.7%減となっており、先行きの不透明な状況がしばらく続くと思われます。
いかがでしたでしょうか?
今回は主に有価物と言われるモノの現在の相場、および市況について見てきました。
環境負荷や廃棄物の埋め立て処理問題など地球が抱える環境問題解決のためにも、リサイクルやリユースが推進されています。持続可能な社会の実現のためにも、有価物に当たるものはリサイクル・リユースに回しましょう。
コロナ禍やロシアのウクライナ侵攻など、様々な影響によりモノの値上げ値下げが起きています。有価物の市場価格や動向を見極めながら、売買を行うと良いでしょう。
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