「一般社団法人 廃棄物管理業協会」ってどんな団体?
2022/07/06
よく「〇〇協会」という名称を目にします。協会とは、特定の目的を達成するために設立される組織のこと。日本では、特定の業界において、業界の発展などに貢献する目的、業界関係者が参加する協会などが多く存在します。
廃棄物管理業にも協会が存在しており、全国の廃棄物管理業事業者が会員となっています。今回はこの廃棄物管理業の協会である「一般社団法人 廃棄物管理業協会」について取り上げていきたいと思います。
廃棄物管理業とは?
まず、廃棄物管理業について解説したいと思います。あまり耳馴染みがなく、廃棄物管理業とは具体的にはどんな仕事なのか疑問に思っている方も多いのではないでしょうか?
一般社団法人 廃棄物管理業協会のサイトでは、廃棄物管理の定義を以下のように定められています。
環境負荷低減と循環型社会形成に貢献するため、事業活動に伴う排出物※の処理プロセスの可視化、処理に関わる法令の遵守、コスト及び処理フローの適正化、サービスの標準化を提案・提言・提供する
※廃棄物、資源物、専ら物のことをいう
産業廃棄物を含む廃棄物の管理については、廃棄物処理法(正式名称:廃棄物の処理及び清掃に関する法律)によって細かく定められています。この法律で、事業場から排出された廃棄物は、排出事業者が自らの責任で適正に処理することが義務付けられています。そのため、事業者は排出した廃棄物を自社で適正処理をするか、適正な処理業者に委託する形となります。
また、廃棄物管理に際しては、産業廃棄物の運搬や処理を別の業者に委託する場合に取り交わす「産業廃棄物処理委託契約書」など、さまざまな種類の書類を取り扱い、管理しなければなりません。
廃棄物処理にあたり、廃棄物の区分や種類を間違えてしまったり、許可のない業者に委託したり、書類を提出しなかったりすると、法令違反や罰則となる場合もあります。しかし、廃棄物に関する法律や書類は複雑で、企業で廃棄物処理の担当者が全て把握するのは難しいでしょう。そこで、廃棄物管理業者が必要とされます。
廃棄物管理業者は、一般的に廃棄物の排出関係の管理を代行する業者のことを言います。具体的には、廃棄物を排出する事業者と廃棄物処理業者の間に入り、仲介する業者で、書類の作成やごみコスト削減の提案など、主に排出事業者のサポートをしています。
ただ、廃棄物管理業については法などで明確に定義されているわけではなりません。そのため、法的な位置づけがないことを理由に、廃棄物管理業者が乱立し、この業を悪用する廃棄物管理業者が増え続けています。
廃棄物管理業協会とは?
「一般社団法人 廃棄物管理業協会」は、廃棄物管理業の法的な位置づけの確立と、より高いレベルで「安全・安定・安心」をお客様に提供できる廃棄物管理業者の育成及び支援、および不法投棄など環境破壊の撲滅を目的としています。
廃棄物管理業をより高いレベルでの安全・安定・安心を提供するため、各関係団体と連携を図っています。さらに、安心、信頼される廃棄物管理業界にするため、廃棄物管理業の法的な位置づけの確立と健全経営を目指し、社会的、環境的、そして取引先にも貢献できる仕組みの構築を試みています。詳しい活動内容は以下となっています。
<活動内容>
①廃棄物管理業者の育成及び支援
・講習会の開催及び認定試験の実施
・定期的な情報交換と交流会の開催
・廃棄物管理業者へのクレーム対応(ブローカー排除)
・廃棄物管理システムの提供【廃環協ネット】
②適正な廃棄物処理に関する政策提言
・廃棄物処理政策への適切な対応
・環境省及び地域行政への情報発信
・定期的な地域行政への訪問及び交流
③排出事業者及び処理業者への積極的な情報発信
・各地域の焼却処分単価情報の発信
・処分及びリサイクル工場の検索システム
・メールマガジン発行(環境法令及び補助金)
④適正な廃棄物処理に関する政策提言
・積極的な会員拡大
・会員企業間の相互利益の追求(仕事の紹介案件)
・各部会活動の支援と部会間の情報交換
⑤環境と社会への貢献活動
・省資源、リサイクル活動の推進
・不法投棄撲滅に向けた活動及び地域連携
・環境イベント等への積極的な参加
・ボランディア活動の推進
★廃棄物管理業協会認定試験とは?
廃棄物管理業協会の認定試験は、廃棄物管理業のサービス標準化により、排出事業者に「安全・安心・安定」を提供できる、廃棄物管理業に従事する人材の教育・指導を目的として実施されている試験です。
国家資格ではなく同協会の認定試験でありながらも、廃棄物処理に係る基礎知識から廃棄物管理業の実務まで、専門的かつ実践的な知識やスキルを修得できる、非常に充実した内容となっています。試験を受験することによって、協会が定める一定以上の実力を身に付け、お客様からの信頼の獲得、自身のキャリアアップにもつなげることができます。
廃棄物管理業協会の活用は?
排出事業者の方向け
廃棄物管理会社への依頼
管理会社へ依頼を考えているものの「どこの管理会社がよいかわからない」「価格が適切なのか不安」といった疑問や不安をお持ちの企業様も多いでしょう。同協会で、抱えている疑問などを相談、解決することができます。
セミナー・講演の依頼
希望があれば、廃棄物の分別方法や処理方法、収集業者や管理会社の選び方、廃棄物に関わる法改正などのセミナーや講演を行っています。
廃棄物管理業者の方向け
会員は正会員と賛助会員があり、業界の情報や法改正のお知らせなどをいち早く知ることができ、適正な業者として企業の信頼性を高められるといったメリットがあります。また、業務に役立つセミナーや会員同士の交流、情報交換ができる懇親会にも参加可能。
さらに会員は、下記のような業務に役立つサービスを多数を利用することができます。
会員サービス内容
① 各行政の一廃処分単価の情報
② 市町村別一般廃棄物許可業者情報
③ リサイクル施設や処分場の検索システム
④ 廃管協ネットの利用(独自の管理システム)有料
⑤ 講習会等の案内(環境・リサイクル関係、産廃関係など)
⑥ 交流会の案内(情報交換の場として)
⑦ 施設・工場見学ツアーの案内
⑧ 弁護士への相談有料
⑨ 与信調査の利用有料
⑩ 排出事業者、収集業者、処分業者向け契約書等のフォーマットの提供
⑪ 収集運搬の原価計算式(フォーマット)の提供
⑫ 補助金・助成金情報の提供
⑬ 行政処分・環境省等の情報発信
⑭ 環境機器の販売及び中古品の売買情報提供
⑮ マニフェスト伝票の販売有料
⑯ 医療廃棄物容器の販売(再生品のみ)有料
⑰ 共同購入(フレコンバッグ、手袋等)有料
⑱ ホームページ・パンフレット・名刺・封筒の作成
いかがでしたでしょうか?
今回は「一般社団法人 廃棄物管理業協会」を取り上げてきました。
事業所から排出された廃棄物は、廃棄物処理法で、排出事業者が処理責任を持ち、事業者自らが処理するか、または排出事業者の委託を受けた許可業者が処理することとされています。排出事業者は、排出する廃棄物の最終処分が終了するまで、適正処理を最終まで監視しなければなりません。
排出事業者が処理を委託する実務業者(収集運搬、処分)が、不法投棄や不適正処理などを行った場合、その廃棄物を排出した排出事業者の責任となります。こうした事態を起こさないためにも、適正な実務業者を選択し、活用していくことが求められます。ご質問やご相談があるという排出事業者様は一般社団法人 廃棄物管理業協会までお問い合わせしてはいかがでしょうか?
または、弊社エコ・ブレインまでお問い合わせください!
弊社も「一般社団法人 廃棄物管理業協会」加入しており、そして理事も務めております。排出事業者様、または廃棄物管理業者もご興味のある方はお問い合わせください。
「ごみがたくさんある」「ごみの分別がわからない」「リサイクル率を上げたい」など、ごみについてお困り・お悩みがある場合は、ごみの専門家であるエコ・ブレインにおまかせください!
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(参考サイト)一般社団法人 廃棄物管理業協会