ウィズ/アフターコロナでの飲食店の現状は?
2022/06/27
長らく続いた「緊急事態宣言」「まん延防止等重点措置」が全面解除され、東京都で設定されていた「リバウンド警戒期間」も5月23日で解除となりました。基本的な感染対策を引き続き徹底するように呼びかけられてはいますが、飲食店の営業時間短縮や酒類制限要請は撤廃。都市部や国内観光地にも人流が見られるようになりました。
人々の外食意欲や消費意欲は高まりつつある中、飲食店の現状はどのようになっているのでしょうか?
飲食店の現状
コロナによる倒産数は「飲食店」が最多
帝国データバンクによれば6月17日時点で、新型コロナウイルスの影響を受けた倒産は全国に3556件確認されているとのこと。中でも「飲食店」(550件)が最も多く、「建設・工事業」(435件)、「食品卸」(181件)、「ホテル・旅館」(148件)が続いています。
製造・卸・小売を合計した件数は、食品が396件、アパレルが267件となるほか、ホテル・旅館、旅行業、観光バス、土産物店などの観光関連事業者の倒産は276件と、外出自粛生活が続いたことにより長らく多大なダメージを受けていた業界での倒産が多くみられました。
★再生可能エネルギーとは?
原則として新型コロナウイルスが倒産の要因(主因または一要因)となったことを当事者または代理人(弁護士)が認め、法的整理または事業停止(弁護士に事後処理を一任)となったケースが対象。個人事業主および負債1000万円未満の倒産もカウントの対象としているほか、事業停止後に法的整理に移行した場合、法的整理日を発生日としてカウントしている。
外食行動は回復の兆し?
外出自粛要請等の新型コロナの影響により、長らく厳しい状況に見舞われ、倒産が相次いだ飲食業界ですが、一方で飲食店の売上が回復傾向にあることを示す調査結果も。
クラウド型モバイルPOSレジ「POS+」を提供するポスタスが集計した5月度の飲食店売上動向によると、コロナ前の2019年比で42%増までに回復したことが明らかになりました。業種別でみると、主な業種はすべて前年以上に回復していますが、居酒屋の回復率が115.1%増と特に著しい結果に。この結果に関しては「夜間帯の回復」の主要因と考えられるとされています。
新型コロナ新規感染者数は緩やかな減少傾向にあります。6月10日からは外国人観光客の受け入れが再開され、都市部・繁華街への人の流れも戻りつつあります。消費者の外食行動は回復の兆しが見られており、今後はさらなる売上の向上・安定化が期待できます。
飲食店での感染対策への協力要請は?
各都道府県で飲食店に対し、感染対策への協力を呼びかけています。例として東京都での現状を見ていきましょう。
東京都は、飲食店に対して利用人数を1グループ8人まで、滞在時間を2時間までに制限するよう求めてきた協力の依頼は、「リバウンド警戒期間」の終了に伴い、都から感染対策の徹底の認証を受けた店(認証店)では行いません。
★認証店とは(東京都)
「徹底点検 TOKYOサポート」プロジェクトにおける「感染防止徹底点検済証」の交付を受け、かつ、これを店頭に掲示している店舗
・「徹底点検 TOKYOサポート」プロジェクトにおける認証基準を適切に遵守して営業するようご協力をお願いいたします。
・飲食の場における安全安心の確保のために「TOKYOワクション」の活用を推奨しています。
※TOKYOワクション:スマートフォンアプリを活用し、ワクチン接種記録の登録をした方に、特典の提供等を行う東京都のキャンペーン
非認証店に関しては、同一グループの同一テーブルへの入店案内を4人以内、滞在時間を2時間以内、酒類の提供・持込は、11時から21時までの間とするよう、引き続き協力を依頼しています。
カラオケ設備を提供している店舗は、利⽤者の密を避ける、こまめな換気を行う、マイク等の消毒を行うなど、基本的な感染防止策を徹底するよう協力を呼びかけています。
そして、事業者に対し、ガイドラインを順守するなど、感染防止対策を徹底するよう求めることにしています。
飲食店向けの補助金のいま
緊急事態宣言下では、飲食事業者を支援するため、営業時間短縮及び休業の要請に全面的に協力する店舗を対象とした協力金の支給など、様々な支援が講じられていました。現在は以下のような補助金などの支援があります。
・外食産業向け業態転換等補助金
正式名称は「外食産業事業継続緊急支援事業のうち業態転換等支援事業」。新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けた飲食店の、今後の事業継続および需要喚起を行うための業態転換等を支援する制度。補助対象となる取り組みとしては、新メニュー開発、感染防止策の強化を前提とした提供方法の見直し、テイクアウト・デリバリー等が挙げられています。公募期間は6月15日から8月1日まで。
・事業再構築補助金
コロナ禍で売上が減少する中小企業等の新分野展開、業態転換、業種転換等「事業再構築」を支援する制度。「通常枠」「大規模賃金引上枠」「回復・再生応援枠」「最低賃金枠」「グリーン成長枠」があり、各々で補助額や補助率等が異なっています。第6回公募の申請受付は6月8日から30日まで。
詳しくはこちら→事業再構築補助金(外部リンク)
コスト削減の方法は?
新型コロナウイルス感染症の影響によって思うように売上が戻らない、という飲食店も少なくはないでしょう。さらに、コロナ禍やロシアによるウクライナ侵攻、世界の自然災害などの理由により、原材料の価格高騰も続いています。
売上が安定しない今、徹底的に経費を見直す必要があるのではないでしょうか? 特に多店舗展開している場合、1店舗1店舗の細かいコスト削減は大きな課題です。飲食店でのコスト削減の手立てとしては、以下のようなものが挙げられます。
・食材の仕入値の見直し
・人員・シフトの見直し
・廃棄物コストの見直し
・電力・ガス会社の切り替え
・LED照明の導入
・節水装置の設置
・キャッシュレス決済の導入
・モバイルオーダーシステムの導入
・テイクアウトやデリバリーの導入
コスト削減案には、即日実践できるものもありますが、ランニングコストがかかるものもあります。お店の現状と照らし合わせて、できることから検討してみてはいかがでしょうか?
いかがでしたでしょうか?
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