国内のエネルギー源とは?再生可能エネルギーについても
2022/06/23
私たちの普段の生活を過ごす上で、欠かせないものといえば「エネルギー」。日本ではエネルギーを得る方法として、化石燃料による火力発電がメインに採用されています(2020年度:総合エネルギー統計)。しかし、化石燃料による火力発電は、二酸化炭素を含む温室効果ガスの発生、有限な資源の枯渇など、様々な地球環境への悪影響が懸念されています。
現在はパリ協定により世界でカーボンニュートラルに注目が集まり、日本でも2050年までのカーボンニュートラルの目標を掲げています。脱炭素社会の実現に向けた取り組みがなされていますが、中でも再生可能エネルギー発電が進められています。
今回は、日本で採用されているエネルギー発電や、再生可能エネルギー発電について詳しくみていきます。
エネルギー発電の種類は?
発電の方法は、細かいものを合わせると数百にも及ぶとされています。日本で採用されている発電方法には、主に以下のようなものがあります。
■火力発電
化石燃料やバイオマスなどの反応から得られる熱エネルギーを電力へ変換する発電方法の一つ。石油・石炭や液化天然ガス(LNG)などの燃料を燃やして水を熱し、そのときに発生する高温高圧の蒸気でタービンを回し、発電します(汽力発電)。そのほか、ガスタービン発電、コンバインドサイクル発電、内燃力発電などの種類があります
火力発電は、安定的に発電できるうえ、燃料の量を変えることで発電量の調整が可能、さらに発電効率が高いと言ったメリットが挙げられます。その一方で、温室効果ガスである二酸化炭素など有害物質の排出量が多く、燃料が自給できない上、その資源が有限が有限であるという欠点も。
■水力発電
水の持つ位置エネルギーを利用して、高い所に貯めた水を低い所に落としたり(落水)、水の流れを利用して水車を回し、その動力で発電機を回転させることにより発電する方法。ダム式、水路式、揚水式などがあり、燃料を使用しない再生可能(自然環境の中で繰り返し使うことができる)エネルギーです。
水力発電は、地球にやさしいクリーンなエネルギーである一方、降水量によって発電量が左右され、極端に降水量が少ない場合、発電ができなくなる恐れもある発電方法です。また、水力発電で大規模に発電するには、ダム式での発電が必要ですが、ダムの新造には多大な費用がかかる欠点も。
■原子力発電
原子力を利用した発電のことで、原子核分裂時に発生する熱を使い、火力発電と同様に高圧の水蒸気を作り、蒸気タービンと発電機を回転させて発電します。
原子力発電では、ウラン燃料を使っており、わずかな量で大量のエネルギーを生み出す事ができます。また、発電のときに二酸化炭素を排出せず、一度発電に使い終わった後も、燃料をリサイクルできるという利点があります。ただ、ウラン燃料は放射線を出す物質(放射性物質)であるため、厳しく管理・対策を必要とします。
■太陽光発電
太陽光を発電機である「太陽電池」を用いて、直接的に電力に変換する発電方式のこと。太陽電池をたくさん集めたものを「ソーラーパネル」や「太陽光パネル」「太陽電池パネル」と呼びます。家の上に乗せる小規模なものから、「メガソーラー」と呼ばれる大規模な太陽光発電所まであります。
再生可能エネルギーである太陽エネルギーの利用するため環境に優しく、SDGsの観点とパネルのコスト低下から普及が著しい発電方法です。ただ、大量の電気を作るためには、広大な土地が必要であったり、雨や曇りの日、夜間は発電できないなど、自然条件に左右される短所も。
■風力発電
風の力を利用して、タービンを回して電気に変換して発電させます。風力発電機は、風の強さや向きに合わせて、羽根の角度や風車の向きを自動調整して、効率的に発電しています。
自然のエネルギーを利用する再生可能エネルギー発電の一種です。環境負荷の小ささ、化石燃料の使用量削減などのメリットがある一方、風の力に頼るため安定した発電ができないというデメリットがあります。また、多くの電気を作るためには広い土地も必要で、設置条件が限られたり、初期費用が高くなります。
■バイオマス発電
バイオマスとは、生物資源(バイオ)の量(マス)を表す概念で、「再生可能な、生物由来の有機性資源で化石資源を除いたもの」のことを言います。バイオマス発電は、木屑や燃えるごみなど化石燃料を除いたなんらかの有機物を燃焼させて、その際の熱を利用して電気を起こす発電方式のことです。
大気中の二酸化炭素を増やさずにエネルギーを作り出すことができ、また廃棄されるものなどを燃料とするため、これまで活用されてこなかった資源を有効活用する事ができます。太陽光や有力発電に比べて安定した発電量が見込めますが、発電効率が低く、資源の収集や運搬・管理に費用がかかると言ったデメリットが挙げられています。
日本におけるエネルギー発電の割合は?
資源エネルギー庁によれば、2020年度のエネルギー供給は化石燃料による火力発電が76.3%と大半を占めています。内訳はLNG(液化天然ガス)が39.0%、石炭が31.0%、石油が6.3%となっています。
一方、温室効果ガスを発生しない原子力発電の割合は3.9%、再生可能エネルギー発電の割合は、18.1%となっています。再生可能エネルギーの中でも最も割合が高い発電方法は、水力発電(7.7%)、太陽光発電(6.7%)と続きます。
★世界と比べると…
自然エネルギー財団によると、2020年の世界の電源構成は以下のグラフのようになっています。デンマークでは、再生可能エネルギーの割合が約80%に及部など、ヨーロッパが自然エネルギー発電(再生可能エネルギー発電)の割合が高い事がわかります。EUでは「欧州グリーンディール構想」など、気候変動の施策のため様々な取り決めを行なっています。
再生可能エネルギーとは
すでに何度かでてきていますが、改めて「再生可能エネルギー」とはどんなものを指すのでしょうか?
★再生可能エネルギーとは?
太陽光や風力、地熱といった地球資源の一部など自然界に常に存在するエネルギーのこと。国内で生産可能なエネルギー源で、政令により太陽光・風力・地熱・バイオマス・水力などが定められています。
資源が枯渇しないこと、温室効果ガスを排出しないこと、エネルギー自給率が向上すると言ったメリットがあります。反対に、発電コストが高いことと、天候に左右されるため発電量が不安定なこと、大きな設備を必要とするため設置場所が限られるなどの課題も。
近年、再生可能エネルギーに注目が集まり、先進国を中心に導入が進んでいます。2015年9月の国連サミットで採択された「SDGs」でも、「7:エネルギーをみんなに。そしてクリーンに」、「13:気候変動に具体的な対策を」と再生可能エネルギーに関する目標が設定されています。
また、再生可能エネルギーの利用は、「カーボンニュートラル」の実現の取り組みのひとつでもあります。地球規模の課題である気候変動問題の解決に向けて、2015年にパリ協定が採択され、120以上の国と地域が「2050年カーボンニュートラル」という目標を掲げています。日本でも2020年10月、2050年までにカーボンニュートラルを目指すことが宣言されました。
★カーボンニュートラルとは?
温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させることを意味し、CO2排出量がゼロとなるよう、脱炭素化を目指すこと。カーボンニュートラルの達成のためには、温室効果ガスの排出量の削減、吸収作用の保全及び強化をする必要があります。
日本での再エネ導入の動き
21年7月に更新された「エネルギー基本計画」では、脱炭素社会に向け太陽光発電など再生可能エネルギーを増やすため、2030年度の電源構成の目標は、再生エネの比率を19年度実績の約2倍の「36~38%」に引き上げられました。
「2050年カーボンニュートラル」に向けては、再生可能エネルギーを導入拡大し、主力電源としていくことが必要です。2012年に「FIT制度」が導入されてから、加速度的に再エネの導入が進んでいます。そして、2022年4月からは「FIP制度」という、電力市場価格と連動した価格で買い取る制度が開始しました。
★「FIT制度」と「FIP制度」とは?
FIT制度は、「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」のこと。太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスの再生可能エネルギー源を用いて発電された電気を、電力会社が一定価格で一定期間買い取ることを国が約束する制度です。
FIP制度とは「フィードインプレミアム(Feed-in Premium)」の略称。FIT制度のように固定価格で買い取るのではなく、再生可能エネルギー発電事業者が卸市場などで売電したとき、その価格に対して一定のプレミアム(補助額)を上乗せさせる制度です。
再生可能エネルギーの導入拡大のため、国として上記のような取り組みがなされています。現在国だけではなく、企業でも再生可能エネルギーを導入することで、環境問題解決に取り組む傾向にあります。今や、企業は環境や社会、経済に配慮したサスティナブルな経営を求められています。地球環境やエネルギー問題に取り組みながら運営するスタイルは、企業イメージが向上やブランディングにつながることでしょう。
いかがでしたでしょうか?
今回は、日本におけるエネルギー発電と再生エネルギーの特徴などを中心にご紹介しました。
地球を取り巻く環境問題の解決は、今や世界中で取り組むべき課題となっています。解決策の一つでもある「再生可能エネルギー」の導入は、世界各国で推し進められており、日本も例外ではありません。しかし、日本での再生可能エネルギー発電の割合は諸外国に比べるとまだまだ低く、上昇させるためには、国全体で積極的に取り組む姿勢が必要です。
これからは企業にも個人にも、脱炭素や再生可能エネルギーに対する取り組みが求められていくことでしょう。再生可能エネルギー発電へのシフトを考えている場合は、制度や助成金などの支援制度を調べてみても良いでしょう。
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(参考サイト)経済産業省 資源エネルギー庁|総合エネルギー統計
(参考サイト)環境省|脱炭素ポータル