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エコアクション21とは? 取り組むメリットや特徴を紹介

コラム

エコアクション21とは? 取り組むメリットや特徴を紹介

2022/05/25
現在、環境へ配慮した取り組みが世界的に重要視されています。こうした中で、企業としても自主的かつ積極的な環境経営を行なうことが求められています。

環境に配慮した経営は社会的にもアピールになるものの、自社だけで具体的かつ効果的な取り組みを見つけ、実践していくことは容易なことではないと言えるでしょう。こうした背景を踏まえ、
近年中小事業者を中心に注目を集めているのが、「エコアクション21」という認証制度です。

今回はこの「エコアクション21」について特徴や取得するメリットを解説していきます。


エコアクション21とは?

エコアクション21とは、環境省が策定した日本独自の環境マネジメントシステム(EMS)のこと。
企業の組織・体制などの仕組みづくりだけではなく、組織や事業者等が環境へ配慮した取り組みを主体的・積極的に行なうための方法を定めたものです。

パリ協定の発効やSDGsの採択などにより、地球を取り巻く環境問題の解決に向けた世界各国で動きが見られています。こうした中、企業の環境への取り組みも重要視されていますが、自社だけで全てを補ったり、効率的に進めるのが難しいなどの課題を抱えてしまう企業も出てくることでしょう。

エコアクション21は、環境省によってガイドラインが明確に定められており、あらゆる事業者が効果的、効率的、継続的に環境経営に取り組めるよう工夫がなされています。特に、中小企業に向けて策定したものであり、比較的簡単に環境経営に取り組むことができ、企業価値を向上をさせるツールとして活用できます。

なお、環境マネジメントシステムの仕様を定めた国際的な認証規格が、国際標準化機構(ISO)の「ISO 14001」。エコアクション21とISO 14001との違いは主に以下のようになっています。


エコアクション21

ISO 14001

制定者

環境省

国際標準化機構(ISO)

対象

主に中小企業向け

主に大企業向け

費用

30万円(認証・登録期間は2年)

約160万円(認証・登録期間は3年)

取り組みやすさ

初めての事業者でも、無理なくシステムを構築することができる

導入・運用に際しては一定の専門知識が求められる


費用はあくまでも目安です。




エコアクション21の特徴は?

ここではエコアクション21の特徴をいくつかご紹介します。

■中小企業でも取り組みやすい
エコアクション21は、中小事業者でも環境経営を通して、総合的な向上を支援するための仕組み。環境への取り組みを効果的・効率的に実施するため、国際標準化機構のISO14001規格を参考に、中小事業者にとっても取り組みやすい環境経営システムの在り方を規定しています。この環境経営システムを構築、運用、維持することで、環境への取組の推進だけでなく、経費の削減や生産性・歩留まりの向上など、経営面での効果が期待できます。

■必要な取組項目が明確
エコアクション21では、環境経営において事業者が必ず把握すべき、二酸化炭素排出量、廃棄物排出量、水使用量などの「環境負荷項目」を規定しています。さらに、省エネルギー、廃棄物の削減・リサイクル、節水、自らが生産・販売・提供する製品の環境性能の向上及びサービスの改善等の「必ず取り組むべき活動」を定めています。そのため、事業者は取り組むべき項目が明確になり、効率的に取り組みを進めることができます。

■環境経営レポートの作成・公表
エコアクション21では、環境経営レポートの作成と公表を必須の要件として規定。
環境経営レポートの公表により、取引先や自治体などに自らが環境への取り組みを行っていることをPRでき、社会からの信頼を得ることができます。さらに、社会的信頼が高まることで企業価値の向上に繋がります。



エコアクション21認証取得のメリットは?

では、エコアクション21を取得すると、どんなメリットがあるのでしょうか?

■環境対策を進めることができる
エコアクション21は、『環境経営システム』『環境への取り組み』『環境コミュニケーション』がひとつに統合されたガイドラインがあります。このガイドラインに沿って取り組みを行うことで、環境への取り組みを総合的に進めることができます。また、その取組結果を「環境経営レポート」として取りまとめ、実際の業務で活かすこともできます。

■ビジネスで有利になることがある
環境への取り組みや環境経営システムの構築を取引条件の一つとしている大手企業も多く、エコアクション21を取得していれば、大手企業とのビジネスチャンスを得られる可能性があります。また、認証・登録にあたり自治体の補助を受けられたり、入札参加資格審査での加点を受けることができる場合も。

■社会的な信頼を獲得できる
環境省のガイドラインに基づき、第三者機関の認証を受けることで、取引先や消費者からの信頼を得ることができます。環境に配慮した経営は、企業の社会的責任(CSR)を果たすことにつながります。

■金融機関から低金利で融資を受けられる
エコアクション21は、第三者による認証・登録制度を有した仕組みです。認証を取得することによって、自治体からの補助や入札審査での加点を受けられる場合もあるほか、多くの金融機関が、エコアクション21に取り組む事業者への低利融資制度を実施しています。


エコアクション21認証取得の流れは?

いざ「エコアクション21」を取得しようとする場合、どのような手続きが必要になるのでしょうか?

▼審査申込み前に最低3カ月以上、環境経営システムを運用し、その結果をまとめた「環境活動レポート」を定期的に公表する必要があります。また申し込みは、審査希望の2カ月以上前に行います。
1)審査の申込み
審査申込書と環境経営レポートを、最寄りの地域事務局宛てに郵送。

2)担当審査員の通知
地域事務局は、審査を担当する審査員を選任。受審事業者に通知が届きます。

3)必要書類送付
審査員は、地域事務局および受審事業者から、審査に必要な書類を受領。

4)審査(書類審査・現地審査)の実施
審査員は、書類審査や現地審査など登録審査を実施。

5)審査結果報告
審査員は、審査の結果を審査結果報告書にまとめ、地域事務局に提出。

6)判定結果報告
地域事務局の判定委員会は、審査員の報告に基づき、受審事業者の認証・登録の可否を判定し、中央事務局に報告。

7)判定結果通知
中央事務局は、地域事務局判定委員会の報告に基づき、受審事業者の認証・登録の可否を判断。その結果を受審事業者に通知。
※必要に応じ、中央事務局判定委員会で審議

8)認証・登録契約の締結/認証・登録料の納付
受審事業者は中央事務局と認証・登録契約を締結し、認証・登録料の納付。

9)認証・登録証の送付、ロゴマーク使用承認
中央事務局から受審事業者へ、認証・登録証が送付。同時にロゴマークの使用が認められ、事業者の環境経営レポートがホームページで公開。




いかがでしたでしょうか?

エコアクション21は、日本独自の環境マネジメントシステムであり、中小企業でも効果的・効率的・継続的に環境経営に取り組めるような仕組みとなっています。

環境へ配慮した取り組みが重要視されている今、エコアクション21を活用することを検討してみてはいかがでしょうか?エコアクション21に取り組むことはコスト削減や社会的信頼の獲得など、経営面のメリットにも繋がることが期待できます。「どのように取り組んだらいいかわからない…」「もっと詳しく話を聞きたい!」まずは、お近くの地域事務局に相談してみてもいいでしょう。

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