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誰が、何が対象?「容器包装リサイクル法」を解説!

コラム

誰が、何が対象?「容器包装リサイクル法」を解説!

2022/03/30
科学技術の進化が著しい現代社会。私たちの生活が豊かになる一方で、増え続けるごみ、大量消費される資源・エネルギーは世界的に問題となっています。限りある資源やエネルギーを守ることは、地球そして次世代の環境と社会の発展にとって、重要な課題です。

そのため、世界各国では廃棄物量の削減など様々な施策が行われています。それは日本も同様で、国や企業をあげて、ごみを少なくしようとする動きが多く見られ、廃棄物にまつわる法律も複数あります。その一つに「容器包装リサイクル法」というものがあります。

今回は「容器包装リサイクル法」について解説していきます。


容器包装リサイクル法とは?

容器包装リサイクル法(容リ法)は、正式には「容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律」と言います。家庭から排出されるごみの容積約6割を占める容器包装廃棄物について、リサイクルの促進等により、廃棄物の減量化および資源の有効利用を図るため、平成9年から施行されました。

簡潔に言うと「一般家庭から排出される廃棄物のうち、「容器・包装」を再商品化・資源化する」ことを目的とした法律です。そのため、業務用に販売され、事業所等から排出されるものに関しては法律の対象外となります。

容器包装リサイクル法は、従来市町村のみが担っていた容器包装廃棄物の処理を、消費者は分別排出、市町村は分別収集、事業者は再商品化(リサイクル)という、3者の役割分担によって容器包装廃棄物の削減に取り組むことを義務づけています。

3者の役割分担
(1)消費者の役割「分別排出」
各自治体の定める分別ルールに従ってごみを分別・排出することが求められています。また、マイバッグ利用でレジ袋をもらわない、簡易包装の商品を選択する、リターナブル容器を使うなど、廃棄物を減らすよう努めることも求められています。

(2)市町村の役割「分別収集」
容器包装廃棄物の分別収集に関する5か年計画を策定、公表し、それに基づき家庭から排出される容器包装廃棄物を分別収集し、リサイクルを行う事業者に引き渡します。 また、特定分別基準適合物を保管施設(指定保管施設)に保管し、分別基準に適合させるほか、事業者・市民と連携して、地域における容器包装廃棄物の排出抑制の促進を担います。

(3)事業者の役割「リサイクル」
容器を製造、または容器包装を利用して商品の販売を行う事業者(特例事業者)は、その事業において用いた、又は製造・輸入した量の容器包装について、再商品化=リサイクルを行います。一般的には、容器包装リサイクル法に基づく指定法人に委託し、その費用を負担することによって義務を果たしています。そのほか、容器包装の軽量化などにより容器包装廃棄物の排出抑制に努める必要があります。
事業者の義務についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。



容器包装リサイクル法の対象とは?

容器包装リサイクル法の対象となる「容器・包装」は、中身商品が消費されたり、中身商品と分離された際に不要になるものです。下記が容器包装リサイクル法の対象となる容器包装の具体例を示したものです。なお、*の印が付いているものは、特定事業者にリサイクルが義務付けられているものになります。

容器包装リサイクル法の対象となる容器包装と具体例
金属
アルミ缶・スチール缶

ガラス
無色ガラスびん
茶色ガラスびん
その他の色のガラスびん

【具体例】

・牛乳びん ・ビールびん ・酒のびん ・化粧品のびん


飲料用紙パック(アルミ不使用のもの)
段ボール製容器
紙製容器包装(段ボール、紙パック除く)

【具体例】

・医薬品の箱 ・お菓子の箱 ・紙製手提げ袋 ・洗剤の箱・贈答品の箱やその中の台紙、中仕切り ・ワイシャツの中の台紙・デパート等で商品を包む包装紙 ・板ガムの胴巻き


プラスチック

PETボトル

【具体例】

・清涼飲料水のボトル ・醤油のボトル ・麺つゆのボトル・乳飲料のボトル ・食酢、調味酢のボトル


プラスチック製容器包装

【具体例】

・お菓子、パン、その他食品や調味料のフィルム袋(ビニール袋)・生鮮食料品のトレイ ・スーパー、コンビニ等の弁当や惣菜の容器・スーパー、コンビニ等のレジ袋 ・PETボトルのプラ製キャップ・シャンプーのボトル、キャップ(ポンプタイプはポンプ部分も)・卵パック・生鮮食料品にトレーと同時に用いられるラップフィルム・PETボトルのラベル(分離可能の場合)



容リ法における「容器・包装」は、「その中身が商品であること」「その商品が無くなったり、その商品と分離された場合に不要になるもの」が該当します。そのため下記は、「容器・包装」の定義から、対象とならない代表的な事例となります。また、業務用に販売され、事業所等から排出されるものに関しては法律の対象外です。

中身が「商品」ではない場合
・手紙やダイレクトメールを入れた封筒
・景品を入れた紙袋や箱
・家庭で付した容器や包装など

「商品」ではなく「サービス」の提供に使った場合
・クリーニングの袋
・レンタルビデオ店の貸出用袋
・宅配便の袋や箱(ただし、通信販売用の容器として用いた場合は対象)

中身商品と分離して不要にならない場合
・日本人形のガラスケース
・CDケース
・楽器やカメラのケース


特定事業者とは?

特定事業者とは、容器包装リサイクル法の対象となる容器包装を作ったり、利用している事業者のことを指します。特定事業者のうち、「ガラス製容器」「PETボトル」などを製造していたり、利用している事業者には、それら容器包装のリサイクル義務があります。特例事業者には下記の3種類あります。



特例事業者3種類
・特定容器製造等事業者(容器・包材メーカー)
ガラス・PETボトル・紙・プラスチック類の容器包装(特定容器・包装)を製造、または輸入する事業者

・特定容器利用事業者(食品メーカー等)
特定容器に詰めた商品を製造する、または輸入する事業者

・特定包装利用事業者(小売業者等)
販売する商品に紙やプラスチックなどの特定包装を利用している事業者


ただし、小規模事業者は再商品化義務の適用が除外されています。常時従業員数と年間売上高の条件を両方とも満たす場合に限り、適用除外事業者となります。

適用除外の条件

主な業種

常時従業員数

年間売上高

製造業など

20人以下

24,000万円以下

商業・サービス業

5人以下

7,000万円以下








いかがでしたでしょうか?

今回は容器包装リサイクル法ついてみてきました。消費者・市町村・事業者それぞれに役割が求められており、3者の連携が必要とされる法律です。

容器を製造、または容器包装を利用して商品の販売を行う事業者は再商品化をはじめとした義務もあります。新型コロナ拡大以降、デリバリー・テイクアウトサービスが急速に普及しました。プラスチック製容器を利用している場合、特定事業者に当たることとなり、再商品化義務があります。
法律で定められた義務を果たさなければ、企業名の公表、罰金が科されます。再商品化義務違反があると知りながら申告しないことが法律違反となることはもちろん、取引先の義務違反を知りつつ黙認したりすることもコンプライアンス違反にあたります。

とはいえ、法令遵守のために義務を果たそうにも、複雑な部分や分かりづらい点が多いと感じることもあるでしょう。容器包装リサイクル法の対象か、再商品化義務等について不明点や不安なことがあれば、ぜひエコ・ブレインまでご相談ください!

長年ごみ問題の解決に携わってきた専門のスタッフが、皆様のお悩みを解決までサポートいたします。容器包装リサイクル法をはじめとした、廃棄物にまつわる法律についてすこしでもご不明な点がございましたら、分かりやすいご説明、的確なアドバイスとサポートをさせていただきます。


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