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お隣の国”韓国”におけるごみ・リサイクル事情とは?

コラム

お隣の国”韓国”におけるごみ・リサイクル事情とは?

2022/01/28
音楽やメイク、ファッションなどの流行が、日本でも話題になりやすい韓国。地理的に近く、日本のお隣の国ということもあり、飛行機で3時間弱でいくことができます。また、韓国国内での流行が日本でも中毛kされたり、韓国ブランドが日本に進出したりと、韓国と日本は、文化的にも経済的にも密接な関係にあります。韓国へ移住する日本人の数も少なくはなく、海外在留邦人数でここ5年間は上位10位以内にランクインしています(出典:外務省「海外在留邦人数調査統計」

そんな韓国では、昨年2020年にごみが大量発生した、というニュースがあります。「脱プラスチック」では日本より一歩も二歩も進んでいるとも言われてる韓国ですが、国内でのごみやリサイクル事情はどのようになっているのでしょうか?


韓国におけるごみ処理の現状

「2020年全国廃棄物発生および処理の現況」(韓国政府環境部)によると、2020年に韓国で発生した廃棄物は一日平均54万872トン、前年から約9%増加しました。これは、年間で換算すると2億トン近くに上る量。

廃棄物の種類別では、建設廃棄物と事業場(排出施設系)の廃棄物が多く、それぞれ廃棄物全体の約44%と約41%を占めます。かつ、双方とも前年から1割近くも数を増加させています。また、前年対比の増加率が最も見られたのが、家庭や小規模事業場で排出される「生活系廃棄物」。前年対比で11%も急増し一日平均6万4333トンと集計され、1人あたりの生活廃棄物の発生量も25年ぶりの最大値となりました。これは、世界中を震撼させた新型コロナウイルス感染症の影響が大きいとされており、ネットショッピングやフードデリバリーの利用や使い捨て用品などの使用が増えたことによる結果だと見られています。

韓国では原則、国内のごみは、リサイクル、燃料への加工、焼却処分のいずれかの方法で処理されます。そして、ごみは「一般ごみ」「生ごみ」「資源ごみ」の3つに分別しています。

一般ごみは日常生活の中で発生した、再活用できないごみのこと。具体的にはトイレットペーパーやビニールコーティングされた紙類、使い捨てオムツ、防水加工のされた衣類、使い捨てストロー、汚れのついたカップラーメンの容器などが該当します。

生ごみは食べ残しや可食できず廃棄するしかない食材を指します。韓国では回収された生ごみは、余分な塩分や香辛料を取り除くなどの加工処理を施され、主に家畜の飼料や堆肥として再利用されます。そのため、動物が飲み込めない、栄養がない食べかすは一般ごみにあたり、生ごみとして捨てる際は、できるだけ異物と水分を取り除く必要があります。

資源ごみは日本と同じように、再利用可能な廃棄物のことで、主に紙類、紙パック類、缶・鉄くず類、ガラスびん類、プラスチック類、ビニール類などがあります。しかし、汚れがついている場合は資源ごみではなく、一般ごみとして排出します。

ごみ袋については、韓国では1995年から廃棄物排出量に応じて処理手数料を負担する「従量制」が導入されており、すべての家庭・事業所は自治体の指定ごみ袋「従量制袋」で捨てなければなりません。

指定ごみ袋は、一般ごみ用と生ごみ用の2種類、価格は容量によって異なります。スーパーやコンビニで購入することができ、余った場合は購入したごみ袋販売所にて返金してもらうことが可能です。なお、資源ごみは基本的に、異物質を除き中身の見えるビニール袋に入れて出せば良いため、指定ごみ袋でなくとも良いとなっています。


韓国のリサイクルの現状

韓国では上記のようなリサイクル可能な廃棄物分別処理システムと、従量制のごみ処理手数料の仕組みを長年にわたって確立させてきました。

2020年は新型コロナの影響もあり、廃棄物の発生量は増加しましたが、その一方でリサイクル率は上昇しました。韓国国内で発生した廃棄物のうち87.3%がリサイクル処理されており、前年より0.7ポイント高い数値に。また生活系廃棄物のリサイクル率は59.8%、事業場の廃棄物のリサイクル率は84.3%となっています。そして、食品廃棄物のリサイクル率に至っては95%を達成しています。

韓国では資源ごみ収集場などに自治体が設置した「衣類リサイクルボックス」があります。リサイクル利用が可能な衣類や毛布、カーテン、カーペットなどを入れることができ、回収されたものは寄付や布製品に再加工されます。住民が気軽にリサイクルに参加できる仕組みのほか、上記で触れたように生ごみの分別と従量課金制が義務化されています。そのため、一人一人が日頃から廃棄物に関心を向け、ごみの削減やリサイクルを意識しているのではないでしょうか。

事業者に向けては、製品メーカーに対し製品から出る廃棄物の回収とリサイクルを義務付けています。また、韓国の廃棄物総量の大半を占める建設廃棄物については、公共および民間の建設プロジェクトでは、再生骨材の使用が法的に義務づけられており、最大限リサイクルすることが促進されています。

世界的に対策が講じられている「プラスチックごみ」についても取り組みがなされており、韓国は2030年までにプラスチック廃棄物を50%削減し、廃プラスチックの70%をリサイクルすることを目標としています。

新型コロナ感染症拡大を受け、一時的にプラスチックカップなどの使い捨てを認めるとされていましたが、2022年4月1日から再び使い捨てプラスチック製品の使用が禁止される予定。11月24日からは、使い捨ての紙コップやプラスチック製のマドラーの使用も禁止される見通しです。さらに、現在大型店舗とスーパーマーケットで禁止されているレジ袋は、コンビニエンスストアなどの一般小売業でも禁止、同時に大型店舗での使い捨て傘袋、スポーツ施設でのビニール製の応援グッズなども禁止されます。



いかがでしたでしょうか?

今回は韓国のごみやリサイクルの現状について見てきました。
地理的にも文化的にも日本と密接な関係にある韓国では、「廃棄物の分別処理」と一般ごみと生ごみの「従量課金制」が廃棄物政策の2本柱となっています。近年では、「循環型経済」の構築を目指して、ライフサイクル全体で資源を管理する新たな政策が導入・実施されています。プラスチックごみについても削減やリサイクル向上に向けた取り組みが様々なされています。今後の韓国における廃棄物および環境に対する施策は、注目して行きたいところです。


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