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リサイクルできないものとはなんだろう?

コラム

リサイクルできないものとはなんだろう?

2022/01/26
日本では2000年に循環型社会形成推進基本法が成立、3Rの考え方が導入されました。それに伴い、「容器包装リサイクル法」など各種リサイクル法が制定され、またごみの分別やリサイクルの仕組みが整備されてきました。

現代社会のごみ問題は、世界共通の課題でもあります。SDGsの中にも目標12「つくる責任 つかう責任」で、持続可能な生産消費形態を確保し、資源の枯渇を防ぐことを目的とし、リサイクルや再生利用などのターゲットが設定されています。

3Rが叫ばれるようになって久しく、リサイクルに取り組む人は多いですが、「リサイクルできるものとできないもの」を正確に把握できている人の数は少ないのではないでしょうか。限られた資源を最大限に有効活用するために、改めてリサイクルやごみについて考えていきましょう。


リサイクルできないものとは?

それではまず、リサイクルができないごみとは、一体どんなものがあるのでしょうか?自治体でリサイクルができないものとしてサイト等に掲載されているものを見てみましょう。

海老名市
羽毛や綿が含まれたものは、羽毛と綿、それぞれの再生ルートが確保できていないため、リサイクルできません。ゴム製品、革製品もリサイクルできません。靴類は、素材にかかわらずすべて燃やせるごみになります。ボタンやファスナーなどは取り外す必要はありません。
  • ゴム製品(長靴、雨合羽 など)
  • 革製品(皮ジャケット、革靴 など)
  • 毛糸製品(セーター、マフラーなど)
  • 羽毛や綿が含まれたもの(座布団・クッション、ぬいぐるみ、はんてん、スキーウェア、ダウンジャケット、こたつの中敷 など(50cm以上のものは粗大ごみとなります))

鶴ヶ島市
紙・布製品であっても、次に列挙するようなものはリサイクルできないため、紙・布類として収集できません。40センチ以内に切って「燃やせるごみ」に出してください。

  • 感熱紙・感圧紙、金・銀紙、圧着はがき、はく離紙、写真
  • 点字発行物
  • ビニールコーティングされている紙袋
  • 線香や洗剤など臭いの強い紙
  • 汚れている服、下着、靴下、綿入製品、作業服
  • キルティング、羽毛製品、夏掛け
  • カーテン、ベットパット、玄関マット
プラスチック製でも、商品として購入したものや一部梱包材、汚れや匂いが落ちないものは「その他容器包装プラスチック」では収集できません。40センチ以内なら「燃やせるごみ」、40センチを超え80センチ以内なら「燃やせないごみ」に出してください。
  • タッパー、おもちゃ、歯ブラシ、ハンガー、ポリバケツ
  • PPバンド(家電製品などを縛っているプラスチック製バンド)、粒状形・チップ形緩衝材
  • 在宅用点滴パック・チューブ、注射器


奥州市
  • 紙類(紙パックの内側が白以外の物、紙コップ、ろう引き紙、油紙、感熱紙、カーボン紙、ノーカーボン紙等)→燃えるゴミへ
  • ビン類(耐熱ガラス類、電球、板ガラス、コップ、ジョッキ)→燃えないゴミへ
  • 缶類(一斗缶、スプレー缶等)→燃えないゴミへ
  • プラスチック類(調味料用(ソース等)、食用油用・非食品用(洗剤、シャンプー、化粧品、医薬品等)のボトル、チューブ類)→燃えるゴミへ


中には「リサイクルできそうなのに…」と思うようなものもあったかもしれません。リサイクルができないものは、品質の均質性を保つため、低下を防ぐためや技術的に困難なためなどの理由があります。

他にも、上記でも記載があったように、ものとしてはリサイクル可能でも、地域によっては再生ルートが確保できていないなどの理由からリサイクル不可としているものもあります。また、「リサイクルに回している」と思っていても、実はリサイクルではなく「リユース」だったというケースもあるかもしれません。

次はリサイクルとリユースの違いをみていきましょう。



リサイクル・リユースのおさらい

まず「リサイクル」とは、廃棄物等を資源に戻し、製品の原材料やエネルギー源として有効利用することで、「再生利用」とも言います。ペットボトルや古紙などのごみを分別・回収をして、原料として再生することなどを指します。

リサイクルはそれ自体にエネルギーを消費し、全てのものがリサイクル可能ではないなど、環境的・技術的な問題も抱えています。そこでより環境負荷が低いとされるのが「リユース」です。

「リユース」は、ものを廃棄せずに繰り返し使用すること。不用品をリユースショップやフリーマーケットアプリで売買すしたあり、寄付したりなどの取り組みのことです。メーカー等が使用済み製品を回収した後、分解、洗浄、部品交換などを経て新品同様の製品として販売する「リマニュファクチャリング」もそのひとつです。

使い終わった瓶を洗浄してそのまま利用して新しい商品を作るのが「リユース」、使い終わった瓶を砕いて次の瓶の原料とするのが「リサイクル」。似てはいますが、明確に違いがあります。中古品を販売するお店は「リサイクルショップ」と呼ばれていましたが、今は「リユースショップ」と区別されるようになってきました。

なお、「3R」の最後の一つ、「リデュース 」は、廃棄物を減らすようにすること。事業者は製品をつくる時に使う資源の量を少なくしたり、廃棄物の発生を抑える、長持ちする製品を作るなどの取り組みをすることです。


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リサイクルできそうでできないもの

ここでは、リサイクル可能だと思われがちですが、その実できないとされているものの一例とその理由をご紹介します。

・耐熱ガラスなど
ガラスびんは粉砕されてカレットと呼ばれるガラス原料になり、溶融窯で溶かして再びガラスびんとして再生利用されます。しかし、通常のガラスびんと成分が異なる製品については、リサイクルに利用することができません。
例:耐熱ガラス、クリスタルガラス製の食器等、照明・建材用ガラス

・マニキュアのびん
マニキュアのびんには、落とすのが難しい汚れと臭いがついています。他の資源と同じようにびんとして再生利用することが難しくなっています。

・色のついたプラスチックボトル
海外で生産された輸入商品の中には、飲料用ペットボトルで色がついているものがありますが、こちらはリサイクルすることができません。着色PETボトルはリサイクルを行う際に、再利用品の品質低下を招くためです。現在、日本国内では着色ボトルの生産は行われていません。

・調味料や食用油などのボトル
汚れや臭いがついたものは基本的にリサイクルすることができません。ごま油などの食用油脂の容器は中身の汚れが取れず、またソースなども汚れや臭いが強いためリサイクル過程でも落としきれません。そのため可燃ごみかプラスチック回収に出すようお願いする自治体が多いです。

・汚れた紙類・加工された紙類
汚れや臭いのついた紙、防水等の加工された紙などリサイクルできない紙類は「禁忌品」と呼ばれています。禁忌品とされているのは、混入してしまうと工場において、品質の低下、機械の故障の原因となってしまうため。リサイクルできない古紙は可燃ごみとして出すなど、自治体のルールに従って処分しましょう。
※古紙のリサイクルや禁忌品についてはこちらの記事で詳しく解説しています。



不用品を再利用・再生利用する新しい技術

革製品などはその性質上、リサイクルすることができず、リユースできるもの以外は可燃ごみなどとして処分されてきました。他にも、技術面などから再利用や再生利用されなかったものが多々あります。しかし、現代の技術の進歩により、従来は再利用・再生利用できないとされていたものが新しく生まれ変わることができる事例も増えています。ここではその一部をご紹介します。

・皮革
廃棄レザーを再利用し、異なる革パーツをパッチワーク状に組み合わせたレザー製小物を提供する企業が出てきています。また、天然皮革を使用して製品を作る際、廃棄される端材やウェットブルーを粉砕し、天然ゴムと合わせて再形成して作られた「リサイクルレザー」というものもあります。

・羽毛
羽毛は100年以上も繰り返し使える丈夫な天然素材であるにも関わらず、日本では多くの羽毛製品が廃棄処分されています。リサイクルの技術はあっても、回収するシステムがなかったためです。
現在は、「Green Down Project」に加入する企業・団体により、独自の洗浄技術で不純物を取り除き、新毛よりも清潔で軽やかな素材に生まれ変わ理、アパレル会社で再生品化されています。

・陶磁器など焼き物
陶磁器や焼き物は、「陶土」という限りある天然の資源を原料としています。生活の中で壊れたり、馴染まなくなった不用食器などを粉砕して、原料の一部にまぜて、再度焼成する取り組みが見られています。



いかがでしたでしょうか?

今回は「リサイクル」に着目してきました。私たちは日々、資源を消費しながら生活しています。しかし、地球上の資源は有限であり、モノを生産・消費することは資源の枯渇の可能性を高めます。持続可能な生産消費形態を確保するためにも、各個人、各企業が廃棄物の発生抑制やリサイクルについて意識、実際に行動に起こすことが重要なのです。リサイクルの効率を上げるためには、リサイクルできるもの・できないものを把握して、適切に分別することも大切な取り組みのひとつです。


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