「配管」の役割とは？詰まり解消・予防の高圧洗浄についても
2022/01/13
私たちの生活の中には様々な「配管」が入り込んで、活躍しています。配管、といえば水道など“なかに何かを流す”という目的として使用してるといったイメージが思い浮かぶと思います。
しかし、実際に「配管」がどういったもので、どんな役割を果たしているのかをきちんと把握している方は少ないのではないでしょうか？
今回は「配管」を中心に、配管の定義やその役割、高圧洗浄でのメンテナンスなどについて見ていきたいと思います。
配管とは？
そもそも「配管」とは、どういったものを指すのでしょうか？
配管とは、液体・気体・粉体といった「流体」を目的の場所へ運ぶ為に設置するものの総称です。「配管材（料）」ともいい、主に鋳鉄やスチールなどの金属と、樹脂やコンクリートなどの非金属で作られた管（パイプ）のことです。もしくは、管を切断・加工し、装置や設備に取り付ける作業「配管工事」自体を「配管」と呼ぶ場合もあります。
「流体」とは、一般的に固体・液体・気体のうち、液体と気体を一括した名称ですが、配管分野における「流体」とは、その名のとおり配管内を通る物体のこと。そのため、気体・液体以外でも流体と呼ぶことがあります。
流体は膨大な種類があります。配管と縁の深い種類の一例だけでも、次の通りとなっています。
【液体】
水・高温水・蒸気・海水・純水・油・作動油・原油・LPG・薬液・血液・飲料・調味料など
【気体】
空気・圧縮空気・天然ガス・都市ガス・標準ガス・特殊ガスなど
【粉体】
小麦粉・パウダーなど
【粒体】
食塩・砂糖
【スラリー（固体と粒体の混合物）】
食品・接着剤・生コン・土砂など
配管の種類には、気体・液体・粉体・粒体を輸送する流体配管、熱伝達用配管、フルードパワー（油空水圧）配管、電気設備配管があります。
配管の役割は？
配管は上記で見たように「流体」を運搬するための装置です。配管内を流れる流体にはさまざまな種類があります。家やマンション、店舗、商業施設などでは、水やお湯、排水、通気、蒸気、冷温水など、さまざまな流体が使用され、その種類・役割によって配管名称が異なっています。
給排水・衛生設備配管
給排水・衛生設備とは、一般的に「給水・給湯・排水・通気および衛生器具、消火、ガスなどの設備を指します。
給排水・衛生設備配管の例
・排水管
便器や排水器具から出る汚水を、建物外へ排出するための配管。
・給水管
建物内で使用する上水（飲料水）や雑用水を供給するための配管。
・給湯管
給湯器や熱源機で熱された湯を、浴槽や台所、洗面台などへ供給するための配管。
空調設備配管
空調設備はその名の通りで、それに関わる配管には冷水配管、冷却水配管、温水配管、冷温水配管、蒸気配管、油配管、冷媒配管があります。
空調設備配管の例
・冷水配管
冷熱源機と冷房機器間で冷水を循環（還水）させるための配管。
・温水配管
温熱源機器で発生した温水を末端の暖房機器まで送水し、温熱源機器まで還水して循環させる配管。
・蒸気配管
蒸気ボイラから発生する蒸気を供給する配管
配管トラブルとは？
「配管」には流体を移送する、流体を制御するといった機能を求められますが、様々なトラブルにより正しく機能しなくなることがあります。その種類は広範囲に渡りますが、何れにしても配管トラブルは生活上の不便や製品の不良だけでなく、場合によっては、人命に関わるケースや災害、環境汚染、ライフラインの機能不全などといった大小様々な影響が出てしまいます。
詰まり
配管のトラブルでよくイメージされやすいものの一つでしょう。ただ配管の詰まり、とひとくちで言ってもそれには様々なパターンがあり、それぞれの箇所や症状で、対処方法が大きく異なります。例：配管内でのサビの発生によるサビこぶが原因で管が閉塞。油脂分や毛髪、石けんカスなどが管内に付着し蓄積することで閉塞。
水漏れ
「詰まり」「老朽化による腐食」「部品の劣化」「継ぎ目の緩み」「地震による配管の破損」などの原因によって配管の水漏れが引き起こることがあります。水漏れが発生するとと、湿気で大事な家屋や家財が傷んだり、水道料金が通常よりかさんでしまうなどの被害が出ることも。
腐食
配管のトラブルで代表例と言えるのが、実は「腐食」です。腐食とは、一般的にいうと「金属」とそれを取り巻く環境成分と反応して酸化し、金属としての性能の低下により、使用に耐えられなくなる現象のことです。腐食は主に、配管材料表面全体に進行する「全面腐食」、一部分だけに集中して起こる「局部腐食」の2つに大別されます。
配管の高圧洗浄とは？
配管の耐久性にはどうしても限界があり、経年劣化は避けられません。しかし、定期的なメンテナンスを行えば、上記で紹介したようなトラブルを回避したり、改善したりすることで長期間使用することもできます。
ここでは、配管のメンテナンスの一つ「高圧洗浄」を紹介します。高圧洗浄とは洗浄機を用いてプロが行う、配管の専門的な洗浄作業のことを指します。ここでの配管は特に、排水管を対象とします。
業者が排水管の高圧洗浄を行うケースは主に次の2つです。
①詰まりにより、汚水の逆流や排水の流れが悪くなった際の配管内のつまり除去
②配管の詰まりを予防し、トラブルを防ぐための定期的なクリーニング
日常生活を送っているだけで、排水管内には徐々に汚れが蓄積していきます。キッチンであれば使用した油や食材、浴室なら石鹸カスや毛髪など…。飲食店や美容室などの店舗では、一般家庭よりも使用頻度が高いため、汚れが蓄積する機会やスピードは高くなります。
汚れが蓄積したまま放置すると、いずれ頑固なつまりに発展してしまいます。詰まりが発生すると、汚水の逆流、つまりを原因とした水漏れ、汚水が溢れ下水道臭さといった異臭、などといったトラブルにつながってしまいます。店舗の場合は事業活動を行うことが難しいだけではなく、お店のイメージを下げることにもなりかねません。配管で詰まりが発生した際は、迅速な対応が必要となり、そして、定期的な排水管の配管洗浄を行い詰まりを予防することが大切なのです。
油分や食材を多く含んだ排水が大量に流れる排水管は、汚れの蓄積が早く、排水トラブルが起こりやすいものです。特に飲食店などの場合は、汚れる頻度が高いため定期的なメンテナンスがオススメされます。専門業者の高圧洗浄は、配管の詰まりの解決・予防だけではなく、悪臭や害虫トラブルを引き起こす汚れも落としてくれます。業者による高圧洗浄作業は、おおむね1時間程度で完了します。
いかがでしたでしょうか？
今回は「配管」に着目して、その役割やメンテナンスについて見てきました。配管は私たちの普段の生活や事業を支える重要な役目を果たしています。配管のメンテナンスは、電気・ガス・水道などのライフラインを、安全かつ安定して供給するために不可欠です。配管トラブルが起きた時、もしくは予防するために業者にメンテナンス等を定期的にお願いすると良いでしょう。
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（参考サイト）Tech Note｜配管とは？：配管の基礎知識1
（参考サイト）配管のすべてがわかる【配管百科】
（参考図書）配管百科編集委員会 2010『「配管」のすべてがわかる！ 配管百科』
