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各種類ごとのリサイクル率はどうなっている?

コラム

各種類ごとのリサイクル率はどうなっている?

2022/01/05
令和元年度の市区町村等による資源化と住民団体等による集団回収とを合わせた総資源化量は840万トン、リサイクル率は19.6%でした。総資源化量及びリサイクル率は平成30年度と比べ減少が見られました。(出典:環境省|一般廃棄物処理事業実態調査の結果(令和元年度)について

限りある資源を守るため、持続可能な社会の形成のため、廃棄物量の減少およびリサイクル率の向上は大きな課題とされています。

今回は種類別のリサイクル率、およびリサイクルのルートなどについて見ていきます。


ペットボトル

ペットボトルのリサイクル率(2020年度)は前年度より2.6ポイント増の88.5%となり、前年度に続き85%以上の目標を上回っています。中国の廃棄物輸入禁止は2018年から継続しており、使用済みPETボトルの輸出量の減少により海外再資源化量は年々低下傾向にあり、リサイクルの国内循環へのシフトが進んでいます。(出典:PETボトルリサイクル推進協議会|リサイクルの算出

中身が消費され排出された使用済みペットボトルは、主に2つのルートでリサイクルされます。

①市町村ルート
家庭から分別排出され、市町村が分別収集します。容器包装リサイクル法により、消費者は分別排出、市町村は分別収集・選別保管、事業者は再商品化と、三者の役割分担が定められています。

②事業系ルート
使用済みペットボトルを事業者自らの責任でリサイクルを行います。排出する場所は様々ですが、廃棄物処理法や自治体の条例等に沿って運用されます。

分別収集されたペットボトルは、再商品化事業者によりフレークやペレットに加工されます。最終的に、製品メーカーで、繊維製品や食品トレイなどのシート製品、建築用材などの成型製品などに再利用され、リサイクル商品として消費者に戻ります。


アルミ缶

2020年度の飲料用アルミ缶のリサイクル率(再生利用率)は94.0%、及びCAN to CAN率 (リサイクルされたアルミ缶のうち、缶材へ再生利用された割合)前年より4.1ポイント増加し71.0%となりました。(出典:アルミ缶リサイクル協会|リサイクル率

アルミ缶は自治体の回収のほか、スーパーマーケット、コンビニ、生活協同組合などが回収ボックスを置き、店頭回収なども行われています。

回収されたアルミ缶の約67%は再びアルミ缶に生まれ変わっています(2019年度)。残りは自動車部品などに再生されます。


スチール缶

2020年度のスチール缶リサイクル率は94.0%でした。2016年度から始まり2020年度を目標年度とする自主行動計画2020(第3次自主行動計画)のリサイクルの数値目標「90%以上維持」を達成しました。(出典:スチール缶リサイクル協会|リサイクル率

スチール缶は自治体の分別収集や不燃ごみ収集ルート、または自販機や事業所・工場などの事業系回収ルートによって集められます。回収されたスチール缶は資源化施設でスチールだけを選別され、運びやすいようにプレスし、ブロック状などに加工されます。鉄スクラップはスクラップ処理業者等を経由し、製鉄メーカーにより建築用の鋼材、自動車用鋼板、冷蔵庫や洗濯機、スチール缶用の鋼板など様々なものに再生され、利用されています。


ガラス瓶

2020年度のガラス瓶のリサイクル率は69.0%、びんtoびん率は80.8%でした。(出典:ガラスびん3R促進協議会|びんtoびん率・リサイクル率の推移(PDF)

使い終わったガラス瓶は自治体による分別回収のほか、スーパーマーケットなどの小売店で空きびんを回収していたり、業者によって回収されます。この時、色別に分けたり、異物(金属、陶磁器、耐熱ガラスなど)を混ぜないようにしましょう。

使用済みのガラス瓶は、工場で細かく砕かれ、新しいガラス瓶の原料や断熱材や道路の砂など、その他の用途に再利用されます。


プラスチック

日本の廃プラスチックの総排出量は850万t(2019年、内訳は、「一般系廃棄物」412万t、「産業系廃棄物」438万t)。そのうち、未利用の廃プラが15%。樹脂に再生する「マテリアルリサイクル」が186万tで22 %、プラスチックを分解してモノマーの状態まで戻す「ケミカルリサイクル」が27万tで3%、そしてプラスチックを燃やして燃料にする「サーマルリサイクル」が513万tで60%と大半を占めました。(出典:一般社団法人 プラスチック循環利用協会|プラスチックリサイクルの基礎知識)

マテリアルリサイクルは、廃プラスチックをプラスチックのまま原料にして新しい製品をつくる技術。基本的に、樹脂選別や不純物除去の後、粉砕、洗浄したもの(フレーク)やフレークを造粒機で溶融し粒状にしたもの(ペレット)を原料として製品にすることで行われています。



プラスチックリサイクルの現状についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。



古紙

2020年の紙・板紙合計の古紙利用率は67.2%、回収率は85.0%でした。(経済産業省「生産動態統計調査」)なお、回収された古紙のうち、約80%が国内で消費され、残り約20%は海外で消費されています。

古紙は家庭や事業所などから排出され、自治体や古紙回収業者によって回収されたり、スーパーなどの小売店に設置されている回収ボックスに持ち込むことででも回収されています。

古紙にはいくつかの種類があり、一般的によく目にするものとして、新聞、段ボール、雑誌、雑がみ、飲料用パックなどが挙げられます。古紙はその品質や特徴に応じてそれぞれ異なる紙の原料に使われ、適切に分別することでリサイクル率および品質の向上につながります。



古紙のリサイクルについてはこちらで詳しく紹介しています。



家電

2017年度は、エアコン92%、ブラウン管テレビ73%、液晶・プラズマテレビ88%、冷蔵庫・冷凍庫80%、洗濯機・衣類乾燥機90%のリサイクル率でした。

2001年より家庭用エアコン、ブラウン管テレビ、液晶・プラズマテレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機の4品目を対象とした「特定家庭用機器再商品化法(家電リサイクル法)」が施行されています。この法律では上記4品目について、小売業者には引取り、製造業者等には再商品化等(リサイクル)が義務付けられ、排出者には廃棄の際に収集運搬料金とリサイクル料金を支払うなど、それぞれに役割分担が定められています。

小売店で回収された家電製品は、リサイクル工場に運ばれ、分解・破砕され、さらに、鉄、銅、アルミ、プラスチック、ガラスなどの原料として使用できる状態になるまで種類別にきちんと分けられます。その後、鉄、銅などを作る工場に原料として売うられ、さまざまな製品に生まれ変わります。



家電リサイクル法について、事業所から排出される場合に関してこちらの記事で解説しています。



パソコン

2020年度に回収した使用済パソコンは386.4千台となり、前年度比103.8%とわずかに増加となりました。リサイクルのための回収については、家庭系パソコンは、前年度比125.4%の 355.1千台と前年度を大きく上回りましたが、事業系パソコンは、前年度比30.0%の21.1千台と大幅な減少となりました。(出典:パソコン3R推進協会|2020年度のパソコンメーカーによる使用済パソコンの回収再資源化実績は386.4千台)

パソコンは鉄、銅、アルミ、金、銀、プラスチック、ガラスなど、さまざまな原料に生まれ変わります。不用になったPCはパソコンメーカーが回収・リサイクルします。ほとんどのメーカーでは、インターネットからの申込みが可能となっています。



いかがでしたでしょうか?

今回は各種類ごとのリサイクル率に着目してきました。私たちが生活を送る上で資源を使用することは避けることはできないことです。しかし、地球上の資源は有限であり、モノを生産・消費することは資源の枯渇の可能性を高めます。持続可能な生産消費形態を確保するためにも、各個人、各企業が廃棄物の発生抑制やリサイクルについて意識、実際に行動に起こすことが重要なのです。多くの企業で実践されているSDGsの中にも目標12「つくる責任 つかう責任」で、持続可能な生産消費形態を確保し、資源の枯渇を防ぐことを目的とし、リサイクルや再生利用などのターゲットが設定されています。世界的に見れば日本のリサイクル率は高いとは言えません。資源を有効活用し、サスティナブルな地球環境の形成のためにも、リサイクルに取り組んではいかがでしょうか?


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