エコブレイン

コロナ禍で「付加価値重視」に?消費者の価値観と企業の動向

コラム

コロナ禍で「付加価値重視」に?消費者の価値観と企業の動向

2021/11/18
2020年、世界中を震撼させた新型コロナウイルス感染症。その影響は凄まじく、医療界や、経済界、教育界など様々な分野において、現在も波及し続けています。そしてその影響は私たちの生活様式にも及んでおり、「巣ごもり生活」や「三密」「ウィズ・コロナ」といった言葉も登場し、働き方もテレワークが著しく広がりました。

こうした状況下で変化が見られたものは多岐に渡りますが、その1つに「消費者の価値観」が挙げられるでしょう。これまで「安さ重視」であったのが「付加価値重視」に移行していると言われています。

消費者の価値観、購買行動の変化は、社会全体が変化していくことにもつながり、また企業においては今後のビジネスの方針を検討していくことが必要となります。

今回は、なぜコロナ禍で消費者の価値観が変化したのか、また新たな付加価値の創造を行なっている企業について注目します。




「付加価値重視」に移行した理由は?

新型コロナウイルス感染症拡大以降、人々の生活様式は大きく変わりました。特に、コロナ禍での消費行動は以下の2点が顕著な変化として見られました。

①外食の利用機会が低下、テイクアウト・デリバリーサービスの利用などの「巣ごもり消費」の定着
②外出・密を避けるため、日常の買い物もインターネットで行うなどの「デジタルシフト」

新型コロナ対策による外出制限を背景に、「安さ」から利便性を求めるだけでなく、「値段が高くても、品質が良いものを」「非日常感を味わいたい」など商品の付加価値を重視する傾向が見られています。手間もかからない互換性の高いモノが溢れる中で、暖炉やレコードなどが売れるなど機能性よりも「意味」を求める動きがあります。「お家時間を楽しむ」は1つのキーワードになっており、長い時間を過ごす家を快適に、そして楽しい環境に整える方が増えています。

また、自宅で過ごすことが長くなったことで、食事や睡眠、清掃など生活環境を見直す機会も生まれました。できるだけ長く使えるもの、健康に良いものを買うなどの購買行動も見受けられます。さらに昨今話題となったプラスチックゴミ問題やSDGsにより、環境を意識した消費価値観も定着しつつあります。

こうしたことから、消費者の価値観については、長期トレンドとして、「安さ重視」から「付加価値重視」に移行しているといえるでしょう。



★付加価値とは
付加価値とは、商品やサービスが本来持っている価値に、プラスアルファで企業独自の価値を付け加えることを意味します。市場競争や変化が激しい現在、重要なキーワードが付加価値です。同業他社の類似商品と明確な差別化を図ることで、顧客にアピールし売上の拡大を狙うことも目的とされています。

現在は多くの商品やサービスがひしめいており、消費者は各々「コストパフォーマンスがよい」「デザインがよい」「使いやすい」などの付加価値を吟味して、商品やサービスを選びます。「なぜこれを購入したか」という決め手が付加価値ともいえるでしょう。





商品・サービスへの付加価値を提供する企業


コロナ禍での需要にマッチ:「ど冷えもん」
コロナ禍ニーズにより冷凍食品の売り上げが増加し、それにあわせて冷凍自動販売機が好調です。マルチストック式冷凍自動販売機「ど冷えもん」(サンデン・リテールシステム)が、1月末の発売以来想定を大幅に上回る注文を集めているそう。

「ど冷えもん」は新型コロナ感染症拡大で、テレワークが急速に普及したことによる冷凍食品の需要の増加、また時短営業する飲食店の打開策、非対面・非接触ニーズなどに応えて開発されました。販売事例で多いのは、ギョウザやラーメンなどの中華系、焼肉やバーベキューなどの精肉系。各種飲食店が共同出資して設置するケースも出てきており、コロナ禍で大打撃を与えられた飲食業界から注目されています。

もともとコロナ禍以前より企画開発は開始されていたそうですが、コロナ禍の外食機会の低下・テイクアウト・デリバリー市場の伸長といった情勢に合うよう、「ど冷えもん」が開発されたとのこと。効率的なテイクアウトを模索する即戦力でもあることに加え、さらにフードロスの削減にも貢献できます。テイクアウト以外でも、閉店後の売り上げ補助となる店頭販売の他、無人販売できるのでサービスエリアや駅、会社やマンションなど自店舗以外でのロケーション展開が可能となり売上収益・新規顧客の拡大、人件コスト削減といったメリットも期待できます。



大手スーパーのPBにも変化:西友・イオン
大手スーパーのプライベートブランド(PB)と言えば消費者が買い求めやすい価格帯の商品というイメージが強いかと思います。しかし、コロナ禍により在宅時間・家庭内で食事する機会が増えたことを契機に、独自性、品質価値で競うステージにシフトしています。

西友は、コロナ禍で価格以外のニーズが高まったことを受け、付加価値と低価格を両立した定番を超えた商品の開発・拡充にシフト。糖質や栄養素にこだわったギルトフリーシリーズの菓子などを投入した結果、売上が過去最高となりました。

イオンは、PB「トップバリュ」の新シリーズ「プロのひと品」を発表、年度内に約50品まで拡大させる見通しです。「プロのひと品」は、「自宅では味わえない、より本格的な味を手軽に楽しみたい、というお客様のニーズにお応えし、一流料理人の料理哲学、知識と経験による監修で味にこだわりぬいた商品」と位置付けた差別化商品。この新シリーズ開発の背景は、コロナ禍で自宅で料理をすること、テイクアウトを利用することが増えていることにあります。「料理するのに時間がかかる/面倒臭い」「手軽にお店の味を味わいたい」といった消費者のニーズにマッチしていると考えられるでしょう。



盛り上がるデリバリー市場×「エンタメ」:「menu」
コロナ禍で盛り上がりを見せるフードデリバリー市場。業界を牽引するUber Eatsや出前館を筆頭に、熾烈なシェア争いを繰り広げられているなか、国内最大級のサービスとして急成長を遂げているのが「menu(メニュー)」。

日本発のデリバリー&テイクアウトアプリとして知られており、そのブランド認知を高める要因の1つとなっているのが「デリバリー × エンタメ」のプロモーションです。人気アニメ作品やゲームタイトルとのタイアップを通じ、「食事の宅配」にエンタメ要素を加えた付加価値を提供し、同業他社と大きな差別化を実現しています。

また、他にもアプリ内にガチャ機能を搭載しているのも、大きな特徴の1つです。デリバリーの注文とレビュー記載でガチャを回すことができ、限定タイアップグッズが当たる仕組みになっています。ゲームのような楽しい体験を作り出し、お家時間を充実させることにつながっています。

現在さまざまなフードデリバリーサービスが登場していますが、加盟店や費用感が類似している中で、「デリバリー × エンタメ」により独自性の高い付加価値を提供し、差別化に成功しています。


快適な食事空間の提供:日本マクドナルド
国内の飲食チェーン店では最多の店舗数を誇る日本マクドナルド。マクドナルドを知らない人はいないというほど、私たちの生活に溶け込んでいます。2021年に50周年を迎え、食の安全・安心にも力を入れるだけではなく、社会問題化しているプラスチック対策にも早くから取り組み、食品ロ減少の成果をあげる等、環境にも配慮する企業として知られています。

マクドナルドでは郊外のドライブスルー併設店舗を中心に、パナソニック「ナノイーX」搭載の空調システムを順次導入しています。日本マクドナルドはコロナ禍以前より、換気には非常に気を配り、郊外のドライブスルー店舗では、1時間で50メートルプール4杯分ほどの空気を常時入れ替えるほど。

それほどまでに“空気の質”にこだわる日本マクドナルドが導入する、「ナノイーX」は抑制できるニオイやアレル物質の数も多く、発生時の独特なニオイも皆無。新型コロナ拡大以降、空気環境を気にすることが多くなった現在、的確に空気を浄化し、快適空間で食事ができるというのは大いに付加価値となるでしょう。




いかがでしたでしょうか?
モノが溢れる中で、消費者の価値観は「安さ」より「付加価値」を重視するように移行していましたふが、新型コロナを契機にその傾向は加速しました。以前より企業は同業他社との商品・サービスを差別化を図るために付加価値を加えてきましたが、今後さらに独自性が高いものや情勢に合わせたものを提供する必要が出ています。

しかし、付加価値の創造というものは一朝一夕でなせるものでは、なかなかありません。ビジネスを継続・拡大していくための悩みどころと感じている企業様も少なくないのではないでしょうか?



私たちエコ・ブレインは、長年ゴミ問題のコンサルタントとして全国の企業様のごみのお悩みを解決してきました。そして単なるごみの回収処分リサイクルや管理業の改善だけではなく、いかにお客様の商品・サービスへ付加価値を提供できるかという点まで考えてきました。

お客様にとって最適なご提案・アドバイスをするために現地へ駆けつけ、日本全国どこでも瞬時に対応しています。そうして20年以上様々なごみ問題を解決してきた実績とノウハウがあります。

ごみの諸問題から何かお悩みをお持ちという方は、ぜひエコ・ブレインまでご相談ください!

現状のごみ処理が適切かどうか分からない、ごみにかかるコストをもっと下げたい、突発的にでた大量のごみをどうにかしたい、臭いや騒音問題で近隣から苦情が多発、とにかくごみ問題で困っている!など、どんなごみのお悩みもお任せください。20年以上様々なごみ問題を解決してきた実績とノウハウがあります。困った!の電話一本いただければ、経験豊富なコールセンターが迅速に対応いたします。今まで築いてきた全国各地の協力ネットワークもフル活用。北海道から沖縄まで日本全国が対応エリアです。大小関係なくごみの困ったは弊社ごみの専門家までお気軽にご相談ください。

メール お問い合わせ