10月は「食品ロス削減月間」!各省庁の取り組みや自宅でできる食品ロス削減とは?
2021/10/13
「食欲」「読書」「芸術」「スポーツ」…など、みなさん思い思いの「〇〇の秋」があることでしょう。そんな秋真っ盛りと言える10月はスポーツの日があったり、ハロウィンがあったりとイベントも目白押し。
そしてあまり知られていないかもしれませんが、10月は「食品ロス削減月間」であり、10月30日は「食言ロス削減の日」なのです!これは、令和元年10月1日に施行された「食品ロスの削減の推進に関する法律」(食品ロス削減推進法)で定められています。農林水産省・消費者庁・環境省共同で「食品ロス削減月間の啓発ポスター」を作成する他、各省庁で食品ロスの削減に向けた取組を集中的に啓発しています。
今回はそんな「食品ロス削減」について、日本での現状や家庭でできる取り組みについて見ていきたいと思います。
食品ロスと日本での現状は?
「食品ロス」とは、まだ食べられるのに廃棄されてしまう食品のこと。 日本での、年間食品ロスの量は600万トン。国民一人当たり”お茶腕約1杯分(約130g)の食べもの”が毎日捨てられているのです。(農林水産省及び環境省「平成30年度推計」より)
上記の食品ロス量の内訳は、食品関連事業者から発生する事業系食品ロス量が324万トン、一般家庭から発生する家庭系食品ロス量が276万トンでした。前年度比12万トン減と、⾷品ロス量の推計を開始した平成24年度以降、最少値となりました。
日本でも2019年7月に公表された食品リサイクル法の基本方針で、食品関連事業者から発生する事業系食品ロスを2000年度比で、2030年度までに半減させる目標が設定されたりと、国全体の動きとして食品ロスの削減の推進が図られています。
「食品ロスの削減の推進に関する法律」とは?
では、「食品ロス削減の日」が定められている「食品ロスの削減の推進に関する法律」とはどんなものなのでしょうか?
「食品ロスの削減の推進に関する法律」(食品ロス削減推進法)は、国・地方公共団体、事業者、消費者等の多用な主体が連携して、国民運動として食品ロス削減に取り組むため制定されました。ここでは「食品ロスの削減」の定義は「まだ食べることができる食品が廃棄されないようにするための社会的な取組」とされています。
基本施策は以下のように定められています。
①消費者、事業者等に対する教育・学習の振興、知識の普及・啓発等
※必要量に応じた食品の販売・購入、販売・購入をした食品を無駄にしないための取組等、消費者と事業者との連携協力による食品ロスの削減の重要性について理解を深めるための啓発を含む。
②食品関連事業者等の取組に対する支援
③食品ロスの削減に関し顕著な功績がある者に対する表彰
④食品ロスの実態調査、食品ロスの効果的な削減方法に関する調査研究
⑤食品ロスの削減についての先進的な取組等の情報の収集・提供
⑥フードバンク活動の支援、フードバンク活動のための食品の提供等に伴って生ずる責任のあり方に関する調査・検討
食品ロス削減推進法では、国・地方公共団体・事業者の責務、消費者の役割について以下のように定められており、さらに相互に連携を図りながら協力するよう努めなければならない旨も定められています。
国:食品ロスの削減に関する施策を総合的に策定し、及び実施する責務を有する
地方公共団体:食品ロスの削減に関し、国及び他の地方公共団体との連携を図りつつ、その地域の特性に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する
事業者:事業活動に関し、国または地方公共団体が実施する食品ロスの削減に関する施策に協力するよう努めるとともに、食品ロスの削減について積極的に取り組むよう努めるものとする
消費者:食品ロスの削減の重要性についての理解と関心を深めるとともに、食品の購入または調理の方法を改善すること等により食品ロスの削減について自主的に取り組むよう努めるものとする
各省庁での取り組み
10月は「食品ロス削減月間」、10月30日は「食品ロス削減の日」。
令和3年度の食品ロス削減月間に、農林水産省、消費者庁、環境省の3省庁が連携して、食品ロスの削減に向けた取組を集中的に普及・啓発することが発表されました。
<農林水産省・消費者庁・環境省共同>
・食品ロス削減月間の啓発ポスターの作成
<農林水産省>
・全国一斉商慣習見直しの日(10月30日)に向けて、商慣習見直しに取り組む食品製造・小売事業者を募集・公表
・食品ロス削減のための消費者啓発に取り組む小売・外食事業者、地方自治体の募集
・寄附金付き未利用食品の実証販売
<消費者庁>
・食品ロス削減推進アンバサダーの発表
・食品ロス削減推進大賞受賞者の表彰
・「めざせ!食品ロス・ゼロ」川柳コンテスト
・情報発信の強化
・流通店舗での食品ロス削減に関する啓発活動
・啓発資材の提供
<環境省>
・食品ロス削減環境大臣賞の表彰
・食品ロス削減に関する情報発信
食品ロス削減のためにできること
食品ロスを削減するために、「食べ物を捨てない」以外に私たちができることはなんでしょうか?
①賞味期限と消費期限の違いを理解する
消費期限は「食べても安全な期限」、賞味期限 は「おいしく食べることができる期限」。
②期限の近いもの、訳あり食品を購入する
販売期限の迫った商品を積極的に選ぶ「てまえどり」が推奨されています。また、味に問題がなくとも、端数在庫や規格外、賞味期限が近いものなどで“わけあり品”とされている商品の購入を検討しましょう。
③食材を買い過ぎず、買った食材は使い切る
買い物に出かける前に冷蔵庫の中などの在庫を確認しましょう。食べきれる分だけ購入し、買った食材は使い切るようにしましょう。
④期限内に食べ切る、余った料理は別の料理に作り変える工夫をする
食べきれなかったものは冷凍するなど、悪くなりにくいような保存方法を工夫してみましょう。料理レシピサービス「クックパッド」にある「消費者庁のキッチン」では、余った料理のリメイクレシピなど、食材を無題にしないレシピが掲載されています。
⑤適切に保存し、できるだけ食品を長持ちさせる
長期間保存する場合には、インターネットなどで適切な保存方法を検索してみましょう。
⑥飲食店で食べきれない場合は「持ち帰り」を相談してみる
外食で食べきれなかった料理をドギーバッグで持ち帰ったり、持ち帰り用の容器を用意している飲食店もあります。
⑦余分な食品は寄付する(フードバンク、フードドライブなど)
包装の印字ミスや賞味期限が近い、余分な食材など、まだ安全に食べられるにも関わらず、やむを得ず処分されてしまう食料を、生活困窮者や福祉分野の施設や団体など食料を必要としている人に無償で提供する活動があります。
いかがでしたでしょうか?
食品ロスについてはSDGsの観点からもより削減が求められており、法律で食品関連事業者は食品廃棄物を減量化およびリサイクルが義務付けられています。一人一人の行動は小さくとも、王政の人が実践すれば、大きな効果となります。食品ロス削減は食事という日々の生活に関わることであるため、すぐにでも実践できることばかりです。まずは簡単にできそうなものからはじめて見てはいかがでしょうか?
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(参考サイト)消費者庁|食品ロスの削減の推進に関する法律