コロナ禍で家庭ごみが増えている?その実態に注目
2021/09/22
新型コロナウイルス感染拡大以降、様々な分野・場面に影響が及んでおり、私たちの日々の生活もコロナ禍前後で大きく変化しました。
その変化の1つが在宅時間の増加です。感染対策のために外出自粛が呼びかけられ、「ステイホーム」「巣ごもり生活」といった言葉も登場しました。また、同様に企業向けに出勤者減を目指しテレワークが推奨され、在宅勤務が定着した例も少なくありません。お家時間増えたことにより、「テイクアウト・デリバリー市場」が著しく伸長した一方、外食産業や観光産業等は大幅な落ち込みが見られるなどの影響が見られています。
そして、コロナ禍で在宅時間が増えたことにより、家庭ごみの量が増えたと言われています。今回はコロナ禍以降、増加していると「家庭ごみ」に着目していきます。
「コロナで家庭ごみ増」は本当?
新型コロナ感染拡大以降、家庭ごみが増えたと言われていますが、本当なのでしょうか?
東京二十三区清掃一部事務組が公表しているデータによると、新型コロナ感染拡大が見られた令和2年度の23区のごみの量は、区収集および持込ごみ量を合わせて2,559,812.52トン。前年度と比較すると7.5%減で、23区全体のごみ量は減少しています。
しかし内訳を見てみると、持込(事業者自らまたは一般廃棄物処理業者が処理施設に搬入するごみ)が738,353.67トンで前年比25%減、区収集(家庭から出されるごみ※一部事業系ごみ含む)が1,821,458.85トンで前年比2.2%増で事業所から排出されるごみが大幅に減っている一方で、家庭ごみが増加していることがわかります。
区収集のごみの中でも増加が見られたのが、可燃ごみと粗大ごみで、粗大ごみは前年より1割以上増えていました。
2021年8月に行われたコロナ禍前後の家庭ごみに関する調査(BRITA Japan株式会社「コロナ禍前後での家庭ごみに関する意識調査」)では、コロナ禍で半数近くの人が家庭ごみが増えたと回答。どの程度ごみの量が増えたかという問いでは、平均でコロナ禍前の131.5%という結果となりました。
増加したごみの種類については、「生ごみ」(55.0%)、「マスク」(51.9%)、「ペットボトル」(47.9%)と回答した人が特に多く見られました。家庭ごみの増加理由に対する問いには、「おうち時間が増えた」(80.0%)、「自炊が増えた」(44.6%)、「食品のテイクアウトが増えた」(29.4%)といった回答が上位に並びました。そのほか通販の利用増加により、「ダンボール」(41.3%)のごみも増加したことがわかりました。
プラスチックごみの増加が顕著に
コロナ禍で家庭ごみが増えたと感じている人が多いこと、そして実際に増加がみられていることがわかりました。その増えた家庭から出るごみの中でもプラスチックごみが急増していると言われています。
日本容器包装リサイクル協会のまとめでは、昨年4~11月に市区町村からリサイクル事業者に引き渡されたプラスチックごみは前年の同期間より4.7%増加し、直近10年間で最多となりました。新型コロナウイルスによる巣ごもり需要で食品用の包装容器が増えていることなどが理由としてあげられています。
前述したように、コロナ禍でテイクアウト・デリバリーサービスが急速に拡大し、多数の人が利用しています。料理の容器はもちろん、スプーンなどのカトラリーもプラチック製のものが提供されています。また、スーパーなどの惣菜売り場でも感染対策のために個々にプラスチック容器で個包装されるようになっています。こうしたことからプラスチックごみの増加につながっているようです。
また、新型コロナ感染対策のための、使い捨てマスクやゴム手袋、アルコール消毒液などのプラスチックケースなどのごみが多くみられるようになりました。使い捨てマスクの多くはプラスチック素材でできており、日々マスクをつけることになるとその捨てる量は相当なものになります。
昨年「レジ袋有料化」が開始され、その際にメディアで取り上げられ多くの人が関心を向けるようになった「海洋プラスチック問題」。レジ袋の利用は減っているものの、プラスチック製の使い捨てマスクや弁当容器などの利用増加のために、家庭から排出されるプラスチックごみが増加傾向にあるのです。
【番外編】家庭でのマスク等の捨て方
新型コロナウイルス感染症の感染者、またその疑いのある方などがいる家庭では、鼻水等が付着したマスク、およびティッシュ等のごみを捨てる際については、環境省から「新型コロナウイルスなどの感染症対策としてのご家庭でのマスク等の捨て方」が出ています。
ごみの捨て方
①ごみ箱にごみ袋をかぶせます。いっぱいになる前に早めに②のとおりごみ袋をしばって封をしましょう。
②マスク等のごみに直接触れることがないようしっかりしばります。
※万一、ごみが袋の外に触れた場合は、二重にごみ袋に入れてください。
③ごみを捨てた後は石鹸を使って、流水で手をよく洗いましょう。
増えた家庭ごみを減らすための工夫
マスクなど必需品以外は、使い捨てを減らして再利用・再使用ができるものを増やして、家庭ごみを減らしましょう。ごみを減らす工夫は小さなことから始めることができ、家庭のごみを減らすことは、地球環境によい影響を与えるだけではなく、家計の節約にもなります。
・再利用/再使用できる製品
コーヒーフィルター
お家時間でホッと一息をつくときにコーヒーを飲む方も多いでしょう。コーヒーを淹れる際に使用するコーヒーフィルターを繰り返し使えるものに変えてみましょう。リネン製・ポリエステル製のフィルターや、フィルターなしで使える金属製のドリッパーなどがあり、繰り返し使えるだけでなく、コーヒーをおいしく淹れられる工夫もなされています。
シリコンラップ
調理や食材の保存に大活躍する、キッチンの必需品であるラップ。現在はシリコンでできたラップが登場しています。冷蔵や冷凍保存、電子レンジでの加熱にも対応する製品も多くあり、洗えば何度も繰り返して使うことができます。100円ショップでも購入できますので、試しに1つ購入してみるのもオススメです。
・ごみの分別
可燃ごみと資源ごみをしっかり分けてごみ出しをしましょう。ペットボトルなどの資源ゴミは無料回収してもらうことができます。また、資源回収ボックスなどを利用するとポイント還元され、お得に買い物できることもありますので、ぜひ活用しましょう。
さらに生ごみの水切りをしたり、容器プラごみを細かく切ったりすることでも量を減らせます。できるかぎり小さいサイズのゴミ袋に1回分のゴミをまとめることができれば、節約にも繋がります。
いかがでしたでしょうか?
「ごみがたくさんある」「ごみの分別がわからない」など、ごみについてお困り・お悩みがある場合は、ごみの専門家であるエコ・ブレインにおまかせください!
長年ごみ問題に携わり、解決に導いてきた知識と経験のあるスタッフが、皆さんのごみにまつわるお悩みを解決します。
ごみに関するお悩み、ご相談は、ぜひエコ・ブレインまでお問い合わせください!
(参考サイト)東京二十三区清掃一部事務組合 ごみ量・ごみの中身
(参考サイト)感染症対策としてのご家庭でのマスク等の捨て方 - 環境省
(参考サイト)公益財団法人 日本容器包装リサイクル協会