飲食店のグリストラップ、放置すると悪臭や害虫が発生!?
2021/07/01
飲食店であれば、「グリストラップ」が設置されているかと思います。
「グリストラップ」は業務用厨房設備などに設置されている、排水をきれいにしてから下水に流すための設備のことを指します。油脂やゴミと水を分離する装置で、「油脂分離阻集器(ゆしぶんそしゅうき)」とも呼ばれています。調理後の道具を洗ったり、食後の食器を洗ったりしたときには、油脂を含んだ水や、残飯、野菜くずなどがが排水口に流れてしまうことがあります。それらが下水に触接流れ込むのを防ぐことを目的としています。業務用の厨房では、下水道法や建築基準法などで設置が義務付けられています。
※グリストラップについてはこちらの記事でも紹介しています。→グリストラップの掃除・処理方法を知ろう!
グリストラップはその構造上、汚れ=汚泥を溜め込んでしまいます。定期的な清掃を行わないと、排水管のつまりや悪臭など様々な悪影響が出てきます。特にこれからの季節、暑い夏においては熱で腐敗が進み、悪臭や虫が発生しやすくなってしまいます。
グリストラップを清掃を怠ると?
グリストラップを清掃することは容易ではなく、清掃を後回しにしてしまう…なんてことも。しかしそのまま放置してしまうと、廃油やヘドロで配管が詰まり、害虫の繁殖や臭いの原因となります。
1)悪臭
グリストラップ内部に溜まった生ごみが腐敗したり、油が酸化することにより、悪臭が発生することがあります。グリストラップ内のごみや油脂分は、そのまま分解・処理されるわけではないため、定期的に取り除く必要があります。
店舗や施設内に嫌な匂いが漂っていると、お客様だけではなく従業員も不快に感じるでしょう。不衛生と思われ、評判が下がってしまう可能性もありますので、こまめに清掃して悪臭を回避しましょう。
2)害虫の発生
グリストラップを清掃せずにいると発生する悪臭、それに害虫が引き寄せられてきます。放置されたグリストラップ内はゴキブリやチョウバエといった害虫にとって、餌の宝庫ともいえます。生ごみや水分などを餌に成長し、大量に繁殖してしまうことにも。
害虫が発生すると、提供する食品に混入してしまったり、食中毒の原因になったりと、飲食店を運営する上で重大なトラブルの元となります。
3)排水管の詰まり
グリストラップは、3つの槽で構成され、段階的に生ごみや油脂分を受け止めています。そのまま溜まったものを放置してしまうと、ごみや汚泥が排水管に絡まったり、油脂分が硬直して排水管がどんどん狭くなり、グリストラップ内全体が汚水になってしまいます。結果、本来の機能を発揮できず詰まってしまったり、逆流してしまう状態になることも。
完全に詰まってしまうと、運営ができない可能性もあります。詰まりの度合いによっては、業者を呼んで1日がかりの工事が必要になることもあります。
業者に依頼してしまう方法も
グリストラップの清掃は簡単な作業ではありません。特に放置してしまった場合だと、自分たちで処理するのは骨が折れます。清掃を業者に依頼すれば、プロの技術で綺麗で清潔な仕上がりとなりますし、衛生状況の悪化の予防などの効果も見込めます。
グリストラップの清掃の手順は業者による多少相違があるかと思いますが、概ね下記のような流れで行われます。
バスケットの清掃
第1槽のバスケットは、大小様々なごみを受け止める部分で、目詰まりしやすい部品です。ごみを取り出し、目詰まりしているものはブラッシングを使って除去していきます。
仕切り板の清掃
仕切り板は取り外しが可能な部品です。水で大まかな汚れを洗い流した後、油脂分を専用の洗剤で使用して落としていきます。表面と裏面の両方とも汚れが取れたら水を切って完了です。
壁面の清掃
蓋が被っていた部分も水で洗い流し、ブラシで擦りながら水洗いします。深い部分の壁面も長いブラシを使いつつ、壁面にこびり付いている細かい汚れもブラシを使いながら磨きあげます。汚れが残らないように入念に清掃していきます。
内部の汚水を吸引し内部を清掃
内部に残った汚水をバキュームで吸い取ります。吸引しながら、内部の周りの汚れが綺麗になっているかを確認します。洗い残しがあれば、ブラシと水を使いながら清掃します。
マニュフェスト伝票の発行
清掃が完了すると、「マニフェスト」が発行されます。グリストラップの汚泥は「産業廃棄物」にあたりますので、処理を委託した場合は「マニフェスト」の発行が必要となります。
グリストラップ汚泥は「産業廃棄物」!
上記でも触れたように、グリストラップの汚泥は産業廃棄物に該当します。そのため、一般のごみ(一般廃棄物)と同じように処理することはできません。もし一般ごみとして処理してしまった場合、店舗から収集した運搬業者がもちろん、排出事業者である店舗も罰せられる可能性があるのです。適正な処理を怠り違反してしまうと 監督行政庁の立ち入りや義務停止、さらには罰金刑、懲役刑を受けることになってしまいます。
これまで見てきたようにグリストラップは放置すると排水管の詰まりや逆流だけでなく、悪臭や害虫の発生の原因となります。定期的な清掃が重要となるため、ほとんどの場合、店舗の従業員がグリストラップ清掃を行っています。しかし、産業廃棄物として適切に処理をせずに、一般ごみとして処理してしまっているケースが多数あります。
飲食店や厨房設備のある施設では、グリストラップの設置が法律で定められています。また経営者はグリストラップ槽に溜まった油や残飯は産業廃棄物として適切に処理し、定期的に槽内を清掃する義務があります。
私たちエコ・ブレインでは、日々の業務でお忙しいお客様の負担を軽くするために、きちんと確実な手順でグリストラップを清掃いたします。
グリストラップ清掃についてお悩み、ご依頼の方は、ぜひエコ・ブレインまでお問い合わせください!